台風接近前夜の月2021/09/30

20210930_27780月
昨夜から今朝はさすがに台風接近前夜、完全に曇りだろうと高をくくっていたところ、夜明け前には雲ひとつない快星に!よもや、よもやだ!

慌てて望遠鏡を組み上げつつも鏡筒を外気にならすのに最低1時間ほしいので、もう薄明が始まってしまいます。なんとか月だけは観察できました。左は4時前の撮影で、太陽黄経差は約277.80°、撮影高度は約58.8°、月齢22.75。

一晩前に見えていた中央付近の地形がごっそり見えなくなっていて、毎度のことながら驚かされます。直線壁がもう見えないぞ!?上弦・下弦時は1日あたりの欠け際変化面積がもっとも大きいですからね。クラヴィウス・クレーターもすっかり日が沈み、クレーター縁の隙間からわずかに溢れた夕日で内部の高い所のみかすかに光る様はまさに芸術作品。虹の入り江の南、雨の海に伸びるリンクルリッジも実に美しい。コペルニクス・クレーターは小じわまでクッキリ見えてしまう高齢者泣かせ?の照明具合でした。

シーイングは落ち着いており、昨夜よりもずっと「嵐の前の静けさ」がマシマシでした。気温が4度ほど高かった(夜間の気温急降下が無かった)せいかも知れません。結露もかなり少なかったです。空に向き合えたのは1時間もありませんでしたが、月以外にもいくつか重星を巡れたのは幸いでした。

片付けを始める頃からまた雲が出始めました。さすがに9月最後の夜は雨になりそうです。