スピカ掩蔽も快星でした2024/12/25

20241225スピカ掩蔽
今日未明、おとめ座の一等星スピカが月に隠される掩蔽現象が起こりました。関東は概ね晴れて、当地・茨城県南部でも良く見えました。

当地では潜入が3:18過ぎ、出現が4:13前でした。2時間前には機材をセットしましたが、気掛かりなのは高度です。特に出現側はわずか21°しかなく、おまけに電線や樹木、街灯の密集エリア。望遠鏡位置を5cm刻みで入念に調整し、ぎりぎり電線にかからない場所を見つけ出しました。また出現側は高度は問題ないものの、最初の設置位置から大きく移動しなければならず、一旦望遠鏡を解体して再度別の場所に組み立てるという面倒な作業が必要でした。私は身体の半分が麻痺で動かせないため遠星は不可能で、家の前の狭い範囲でこうしたやり繰りが必要なのです。

低空でシーイングは無茶苦茶でしたが、それでも雲に邪魔されることなく全過程を楽しむことができました。左画像は潜入と出現のフレームを基準に、30秒おき各7枚ずつの経過を合成したもの。月画像は出現以降の動画からスタックしています。また、下に潜入直前と出現直後それぞれの30秒間を約1秒おきに取り出したフレームでGIFアニメ化して掲載しました。クリックして再生してください。※恒星時追尾なので、動いているのは月のほうです。大気の揺らぎで全体がゆらゆらして臨場感がありますね。虹の入江も美しい…。土星掩蔽、海王星掩蔽、スピカ掩蔽と、12月の珍現象三連コンボすべてが天気に恵まれ、十分に堪能できました。

日食の皆既帯と同様に、掩蔽が見える場所は太い帯状になっていて、月の運動に合わせて南下と北上を繰り返します。今回の掩蔽は南下の途中にあたり、日本から見えるものに限ると最後になります。2025年中に南極まで到達し、その後しばらくは世界のどこでもスピカは隠れません。2031年から再び南極をスタートし、北上した掩蔽帯が日本に届くのは2032年4月25日になります。この日は未明の西空でほぼ満月の月に隠される様子を全国で観察できるでしょう。

  • 20241225スピカ掩蔽(潜入)

    A.スピカ掩蔽(潜入・GIFアニメ)
  • 20241225スピカ掩蔽(出現)

    B.スピカ掩蔽(出現・GIFアニメ)


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