今日の太陽2024/01/19

20240119太陽
昨夜から今朝は皆曇。今日朝からは青空が見えるけれど薄雲が常にかかった状態です。

20240119太陽リム
左は10:10頃の太陽。左上に見えてきた黒点を伴った活動領域13559と、南半球の13560が加わりました。結構大賑わいですね。左下のプロミネンスは今日も素晴らしいです。

SLIMを待つ月面2024/01/19

20240119_10517月
今日は青空があるものの、1日薄雲に覆われた空。夕方外出先から戻る頃には薄雲越しに月が昇っているのが見えました。間もなく小型月着陸実証機SLIMが着陸する…そう思うと、雲越しだろうと月面を観たくなります。幸い雲は薄くなる傾向だったので、早くから望遠鏡を準備しておきました。

シーイングはやや悪い程度でしたが、それよりも昼から吹いていた季節風が止まず、望遠鏡を揺さぶるほうが悩みの種。気温は7度もあって暖かいはずなのに、体感的にとても冷たく感じました。薄暮の頃から2.5時間ほど眺めていたのに、気温・湿度ともほとんど変化しませんでした。

左画像は19日17:50頃の撮影で、太陽黄経差は約105.17°、撮影高度は約69.95°、月齢は7.87。SLIM着陸予定のキリルス付近はすっかり明るくなっています。ひと晩前は曇っていて見えなかった月面X&LOVEもすっかり明るくなってますね。

20240119キリルス付近
今夜の月は見どころ盛りだくさんなのですが、まずはキリルス付近を抑えておきました(右画像)。着陸予定の約5時間前です。赤矢印の先に見える小さな白い点がシオリ・クレーターから広がる光条。SLIMはこのシオリの東北東、約500m離れた場所に着陸するとのこと。

この画像内にはアブルフェーダー連鎖クレーターやアルタイ断崖などもはっきり写っています。Concentric Crater(同心円クレーター)のひとつ、ポンタヌスEも左辺下寄りに確認できますね。


その他のシーンから3枚掲載。

下A画像はアペニン山脈から中央の入江にかけて。うまい具合にアンペール山の二つ星が見えていました。ただし少し時間が遅かったようで、もう星二つどころじゃなくなってます。ハドレー谷も山脈の影から姿を現しつつあります。ヒギヌス谷、トリスネッカー谷も良く見えていますね。グルイテュイゼンの月面都市はドンピシャのタイミングでした。葉脈のような模様が闇の中から浮いています。半分だけ壁が光り始めたエラトステネスや、その南東に広がるリッジも魅力的。何より、アペニン山脈の櫛状の影が趣深いのです。アルキメデス西側の小さな二つの山が長い影を落とし、その隙間が極めて狭いRayになっているのを初めて見ました。これも広義のRay現象ですね。

下B画像はプトレマイオスからデランドルにかけて。直線壁が夜明けを迎え、西側に長い影を伸ばしていました。もう少し早ければバートに届いていたでしょうか。そのバートの影も長く、夜側に繋がっていました。バートの影を南北に横切るような影も見えます。ここは標高差数十mのごく弱い谷になっているようで、その影と思われます。アルフォンスス谷やアルザケル谷も確認できますね。プトレマイオスやアルバテグニウス内にある弱いくぼみも複数写っています。最近は、お豆腐を水切りするとき指でちょっと押してしまった跡に似てるなぁと思います。

下C画像はリムに姿を現しているフンボルト・クレーター付近。横構図ですがほぼ同一縮尺の17日宵に撮ったD画像と比べ、ずいぶんリムから離れて地球側へ向いていることが分かるでしょう。フンボルト連鎖クレーターも見やすくなっている…はず!?

夢中で観察・撮影しているうちにどんどか雲が多くなり、風も強まって、最後のほうは巻きで撮影しなければなりませんでした。夜半前には皆曇になってしまったけれど、SLIM着陸と共に月を観察できて本当にラッキーでした。

【追記】SLIMは無事月面に着陸できたようです。太陽電池のトラブル、機体位置の正確な把握など状況の詳しい解析はまだ時間がかかるようですが、吉報を待つとしましょう。

  • 20240119アペニン山脈、蒸気の海、中央の入江

    A.アペニン山脈付近
  • 20240119プトレマイオス、直線壁、デランドル

    B.直線壁付近
  • 20240119ペタヴィウス、フンボルト、ステヴィヌス

    C.フンボルト付近