SLIMの着陸地点が見えてきた2024/01/18

20240117_08068月
昨日は季節風が止んで日中から穏やかな晴天でした。ひょっとしたら好シーイングかもと期待しつつ良い空の月に望遠鏡を向けてみました。さすがに春夏のようにいきませんが、ここ数日の酷い大気状態と比べると素晴らしい像を結んでくれました。

左画像は17日19:30頃の撮影で、太陽黄経差は約80.68°、撮影高度は約44.47°、月齢は5.94。ずいぶん半月に近くなりました。上弦瞬時は本日18日12:53ごろです。ひと晩前には小型月着陸実証機SLIMの着陸地、キリルス・クレーターが見えませんでしたが、昨夕はバッチリ。またラモントやスミルノフ尾根などもちょうど良い日照です。

時々大きく乱れるため拡大撮影するか迷ったけれど、思い切って撮ってみました。右下画像はSLIMの着陸地、キリルスを中心に切り取った画像。着陸の目印となるキリルス内のシオリ・クレーターは赤点円の中心付近にあります。

20240117_キリルス付近
キリルスの右上はテオフィルス。中央丘が「月面グー地形」として知られるようになりましたね。じゃんけんの「グー」に見えますか?キリルスの下、少し離れた大きなクレーターはカタリナ。二重または三重に環が重なったように見える不思議な形です。画像右下にはフラカストリウスという大きなクレーターも見えています。

今日を境に週末に向けて天気が下ってしまいそうで、SLIM着陸まで月面を見届けられるか不安です。少しでもチャンスがあればと願うばかり…。


その他の画像を4枚掲載。※おそらくカメラ装着時に若干斜めになってしまったのでしょうか、一部のスケアリングが合ってないような画像になってしまって残念。不良部分をトリミングすればいいのだけれど、こういったトラブルも起こるという記録として取り繕わずそのまま掲載します。

下A画像のフンボルト海は随分見やすい秤動だったと分かります。今後急速に見えなくなるでしょう。下B画像はラモント付近。アラゴーのドームがよく分かります。上部左寄りにはプリニウス谷やメネラウス谷も写っています。ラモントを囲むようなリッター谷やヒパチア谷もイイ感じ。

下C画像はかなり明るくなって複合クレーターらしさが無くなってきたジャンセン。それでもまだレイタ谷などは見えますね。アルタイ断崖も見ごろです。下D画像はフラカストリウスからペタヴィウスを経てリム近くのフンボルトまで横構図で撮ったもの。ペタヴィウスの北にフェンデリヌス、南にフルネリウスも見えます。ペタヴィウスとフェンデリヌスの間で蝶のような光条を持つのはペタヴィウスB。満月期にはペタヴィウス本体より目立ちます。フンボルト連鎖クレーターの位置が淡い筋状に見えている気がするのですが、どうなんでしょう?全体が明るいと特定に苦労します。

  • 20240117フンボルト海、エンディミオン、ポシドニウス

    A.フンボルト海付近
  • 20240117静かの海西域

    B.ラモント付近
  • 20240117アルタイ断崖、ピッコロミニ、ジャンセン

    C.ジャンセン付近


  • 20240117フラカストリウス、ペタヴィウス、フンボルト

    D.ペタヴィウス付近


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