雲間に見えた今年最南の満月 ― 2021/06/25
曇りや雨、雷などが連日のように訪れる天気でしたが、今日未明に奇跡的な晴れ間があり、満月を拝むことができました。
正確には6月満月瞬時は3:40直前頃ですが、当地でのその時間はもう薄明で明るく、月高度も6°未満。そもそも月は雲に隠れて見えませんでした。左は約2時間前の晴れ間に撮影した月。望遠鏡をセットする余裕がなかったため、ズームデジカメのみでの撮影です。画像上方向が天頂方向、月の北極方向は真上から約32°右回りの方向です。
晴れ間とは言っても「厚い雲が無い」というだけのことで、薄雲が空全体を覆っておりました。通常の快晴時の満月設定ではかなり露出アンダーになってびっくりしました。低かったということもあり、丁寧に仕上げてもやはり荒れています。画像上側が欠けており、一周前の月食満月から更に黄緯が下がったことを思わせます。
それにしてもずいぶん低い空を通るなぁと感じたので計算してみると、今年の満月としては視赤緯(※地心計算)が最も低いことが分かりました。観測地を固定して考えるなら、月の南中高度を決定付けるのは赤緯の値です。右図の青線の通り、月の赤緯は地球を一周するたび増減を一周期ぶん繰り返しますが、その中で満月のタイミングだけをピックアップすると、これがまた約1年の周期で増減します(黄色丸印)。
反対に最も高くなるのは約半年後の12月19日の満月。残念ながら満月瞬時が昼過ぎのため見えませんが、夜に昇った月の南中頃は、東京でも高度80°近く、沖縄ではほぼ天頂を通る準満月が拝めるでしょう。太陽の影で地球を測ったエラトステネスさながらに、深い深い井戸の底から天頂の月を見てみたいですね。
正確には6月満月瞬時は3:40直前頃ですが、当地でのその時間はもう薄明で明るく、月高度も6°未満。そもそも月は雲に隠れて見えませんでした。左は約2時間前の晴れ間に撮影した月。望遠鏡をセットする余裕がなかったため、ズームデジカメのみでの撮影です。画像上方向が天頂方向、月の北極方向は真上から約32°右回りの方向です。
晴れ間とは言っても「厚い雲が無い」というだけのことで、薄雲が空全体を覆っておりました。通常の快晴時の満月設定ではかなり露出アンダーになってびっくりしました。低かったということもあり、丁寧に仕上げてもやはり荒れています。画像上側が欠けており、一周前の月食満月から更に黄緯が下がったことを思わせます。
それにしてもずいぶん低い空を通るなぁと感じたので計算してみると、今年の満月としては視赤緯(※地心計算)が最も低いことが分かりました。観測地を固定して考えるなら、月の南中高度を決定付けるのは赤緯の値です。右図の青線の通り、月の赤緯は地球を一周するたび増減を一周期ぶん繰り返しますが、その中で満月のタイミングだけをピックアップすると、これがまた約1年の周期で増減します(黄色丸印)。
反対に最も高くなるのは約半年後の12月19日の満月。残念ながら満月瞬時が昼過ぎのため見えませんが、夜に昇った月の南中頃は、東京でも高度80°近く、沖縄ではほぼ天頂を通る準満月が拝めるでしょう。太陽の影で地球を測ったエラトステネスさながらに、深い深い井戸の底から天頂の月を見てみたいですね。




