アトラス彗星が近日点を通過 ― 2025/01/13
本日はアトラス彗星(C/2024 G3)が近日点を通過する日。見かけ上でも太陽に一番接近し、明るくなります。今日の昼時点のIAU軌道要素によれば、近日点通過日時は1月13日10:15:36UTC(19:16JSTごろ)ですから、日本からは見えません。
左は本日14:20ごろ青空の中で撮影したアトラス彗星。上方向が天の北方向です。少し透明度が落ちた空で雲の通過もあったけれど、モニターで良く見えました。ただし太陽離角が5°程でとても危険な状態。遮光代わりにカメラ三脚に取り付けたウチワを少しずつずらしながら、その影で撮影機材を直射日光から守ります。わずか10分ほど撮影するのに神経をすり減らしました。1400コマほど加算平均しましたが、空中を飛行する多数の物体(ホコリとかゴミとか虫?とか)がキラキラ光りながら通過し、星のごとくたくさん写りました。こんなものを吸い込みながら私たちは生きているのでしょうか?
核が分裂したとか言う情報も聞きましたが、これを見るかぎりそんな兆しはありません。非常にしっかりした彗星核と、約18分角の尾がカッコいい。まだまだ生き延びるものと思われます。
下A画像は太陽観測衛星SOHOによる本日20:54JSTのアトラス彗星(※最も近日点通過時に近い画像)、B画像は比較のため紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)がSOHO写野内でもっとも立派に見えた2024年10月10日の画像(注:近日点通過日ではありません)。尾の長さは負けますが、今回の彗星のほうが明るいのかな?ともあれ、しばらくは目が離せませんね。
左は本日14:20ごろ青空の中で撮影したアトラス彗星。上方向が天の北方向です。少し透明度が落ちた空で雲の通過もあったけれど、モニターで良く見えました。ただし太陽離角が5°程でとても危険な状態。遮光代わりにカメラ三脚に取り付けたウチワを少しずつずらしながら、その影で撮影機材を直射日光から守ります。わずか10分ほど撮影するのに神経をすり減らしました。1400コマほど加算平均しましたが、空中を飛行する多数の物体(ホコリとかゴミとか虫?とか)がキラキラ光りながら通過し、星のごとくたくさん写りました。こんなものを吸い込みながら私たちは生きているのでしょうか?
核が分裂したとか言う情報も聞きましたが、これを見るかぎりそんな兆しはありません。非常にしっかりした彗星核と、約18分角の尾がカッコいい。まだまだ生き延びるものと思われます。
下A画像は太陽観測衛星SOHOによる本日20:54JSTのアトラス彗星(※最も近日点通過時に近い画像)、B画像は比較のため紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)がSOHO写野内でもっとも立派に見えた2024年10月10日の画像(注:近日点通過日ではありません)。尾の長さは負けますが、今回の彗星のほうが明るいのかな?ともあれ、しばらくは目が離せませんね。
【重要な危機管理意識】
Deep Sky Memoriesブログさんがとても大切な注意喚起をしておられます。太陽近傍の天体を観察したり撮影するとき「視野/カメラ写野に太陽が入らなければ大丈夫」と考えるのは厳禁です。太陽光から守らなくてはならないのは、フードやレンズ前面などまで含めた機材全体です。
今はパソコンやスマホで簡単に視野範囲が得られる時代。アトラス彗星はもとより金星でも水星でも新月近くの月でも、太陽を避けつつ対象を観察/撮影できる焦点距離を入力すればクリック一発で表示できるでしょう。ですがそれはあくまでアイピース像面やカメラセンサーに像を結ぶ範囲であって、「機材に直射日光が当たらない範囲」ではありません。
迷光が入ると像が悪化するといったレベルの話ではなく、危機管理の問題。センサーや機材を焦がす程度ならまだ軽傷で、下手をすると観察者自身が失明や火傷を負ったり、火災に発展したりするのです。ちょっとトイレに行きたくなってその場を離れた隙に誰かが望遠鏡を覗いたとか、内部からの反射光が通行人に当たったとか、地震が起きて機材の向きが変わり燃え広がったとか、すべて使用者の危機管理が至らぬせいでしょう。
最低限、建物の影に入って観察しようということはこのブログで何度もお伝えしました。太陽そのものも、太陽近傍も、望遠鏡での観察には細心の注意を払いましょう。写った、良かった、ではありません。特にベテランさん、後輩天文ファンの見本になるような安全策としつこいくらいの注意喚起を切にお願いします。ツイートするとき「失明危険」「収斂火災注意」タグ付けるくらいの用心深さが大切に思います。
「アトラス彗星が昼間見えるって!」「じゃあ見てみよう」「どうやって見るのかな」「検索したら望遠鏡を直接向けてる写真出てきたよ」「じゃあさっそく…」。こういうのがド素人さんの思考フローです。ベテランさんの「見かけの一面」だけそのまま真似るんです。これ自己責任と言い切れませんよね?怖いと思いませんか?
Deep Sky Memoriesブログさんがとても大切な注意喚起をしておられます。太陽近傍の天体を観察したり撮影するとき「視野/カメラ写野に太陽が入らなければ大丈夫」と考えるのは厳禁です。太陽光から守らなくてはならないのは、フードやレンズ前面などまで含めた機材全体です。
今はパソコンやスマホで簡単に視野範囲が得られる時代。アトラス彗星はもとより金星でも水星でも新月近くの月でも、太陽を避けつつ対象を観察/撮影できる焦点距離を入力すればクリック一発で表示できるでしょう。ですがそれはあくまでアイピース像面やカメラセンサーに像を結ぶ範囲であって、「機材に直射日光が当たらない範囲」ではありません。
迷光が入ると像が悪化するといったレベルの話ではなく、危機管理の問題。センサーや機材を焦がす程度ならまだ軽傷で、下手をすると観察者自身が失明や火傷を負ったり、火災に発展したりするのです。ちょっとトイレに行きたくなってその場を離れた隙に誰かが望遠鏡を覗いたとか、内部からの反射光が通行人に当たったとか、地震が起きて機材の向きが変わり燃え広がったとか、すべて使用者の危機管理が至らぬせいでしょう。
最低限、建物の影に入って観察しようということはこのブログで何度もお伝えしました。太陽そのものも、太陽近傍も、望遠鏡での観察には細心の注意を払いましょう。写った、良かった、ではありません。特にベテランさん、後輩天文ファンの見本になるような安全策としつこいくらいの注意喚起を切にお願いします。ツイートするとき「失明危険」「収斂火災注意」タグ付けるくらいの用心深さが大切に思います。
「アトラス彗星が昼間見えるって!」「じゃあ見てみよう」「どうやって見るのかな」「検索したら望遠鏡を直接向けてる写真出てきたよ」「じゃあさっそく…」。こういうのがド素人さんの思考フローです。ベテランさんの「見かけの一面」だけそのまま真似るんです。これ自己責任と言い切れませんよね?怖いと思いませんか?