海王星掩蔽もバッチリでした ― 2024/12/10
前夜の土星掩蔽に続いて、昨宵は海王星が月に隠されました。当地では風が残ったものの雲はなく、終始快星で観察することができました。
惑星掩蔽は世界規模で考えると特定期間に偏る傾向があり、土星なら2007年初春・2013年初冬・2018年初冬・2024年春・2031年春…等からの各1年間程度、海王星なら2007年夏・2016年夏・2023年秋・2033年夏…等からの各1.5年間程度と言う具合。発生間隔がそれぞれ9年前後またはその半分になっているのは、月が関係していることを考えると察しが付くでしょう。
昨宵の掩蔽は前夜と同様ノーマルと強拡大の二台体制で臨みました。土星のときより早い時間だったので日没前から大忙しで準備。記録開始に至ったのは現象1分前というありさま。間一髪でした。というのも、海王星が暗すぎて強拡大の望遠鏡ではなかなか導入できなかったからです。薄暮が明るくて極軸合わせに手間取ったのも一因ですね。
左上および右画像がノーマル機材での全体像。海王星はマーカーのところで、それぞれ月面に接する1秒前と1秒後です。海王星は月面に比べてとても暗いことをあらためて認識しました。この月齢でも露出オーバーさせると地球照の中のグリマルディの暗さやアリスタルコスが少し明るいことなどが分かりますね。びっくりです。
2024年11月12日記事に土星より内側について比較していますが、土星より外側の惑星の表面輝度を月と比べてみると下A図のようになります。海王星は平均的に4等以上も暗いのですね。さすがに月面模様と両立できませんから、海王星に合わせて撮影しました。それでもちゃんと青緑に見えるのには感動しました。
拡大は下B・C画像。海王星の大きさを捉えたかったので、土星掩蔽よりも更に2倍拡大率を上げました。それぞれの4枚組はだいたい1秒おきです。見ていた実感でもぬるっと消えてぬるっと出てきました。小さいとは言え大きさを持っているので、恒星のようにパッと消えません。実に面白い。シーイングが悪すぎてうまく精鋭像にスタックできないのが辛いところ…。
それから、月面でもイベントが重なりました。ひとつは月世界への招待サイトで東田さんが予報を出していたクラヴィウス・アイ。海王星掩蔽の潜入頃から終わった後のころまで良く見えました。海王星観察の合間に何枚か撮ったうち、下D画像は海王星出現直後のクラヴィウス・アイ。丸メガネが出切っていないけれど、雰囲気は感じられます。
もうひとつは当ブログで以前に紹介したプラトーRay。昨宵18:00前後の出現を予想しており、下E画像はまさに18:00に撮影したもの。既にメインのRayの他、南側にもRayが見えていますね。これより前の時間にも撮影しましたが、遅くとも17:40にはメインのRayが見え始まっていることが確認できました。撮影できませんでしたが、グルイテュイゼンの月面都市や出現間もない直線壁など良く見えていました。なお画像の向きを変える余裕がなかったので、この月面は海王星画像同様、上方向が天の北方向です。
この二日間、撮り切れなかった月面Xや木星の衝なども含め、天文イベントが集中した濃密な時間を楽しむことができました。お天気に感謝です。
惑星掩蔽は世界規模で考えると特定期間に偏る傾向があり、土星なら2007年初春・2013年初冬・2018年初冬・2024年春・2031年春…等からの各1年間程度、海王星なら2007年夏・2016年夏・2023年秋・2033年夏…等からの各1.5年間程度と言う具合。発生間隔がそれぞれ9年前後またはその半分になっているのは、月が関係していることを考えると察しが付くでしょう。
昨宵の掩蔽は前夜と同様ノーマルと強拡大の二台体制で臨みました。土星のときより早い時間だったので日没前から大忙しで準備。記録開始に至ったのは現象1分前というありさま。間一髪でした。というのも、海王星が暗すぎて強拡大の望遠鏡ではなかなか導入できなかったからです。薄暮が明るくて極軸合わせに手間取ったのも一因ですね。
左上および右画像がノーマル機材での全体像。海王星はマーカーのところで、それぞれ月面に接する1秒前と1秒後です。海王星は月面に比べてとても暗いことをあらためて認識しました。この月齢でも露出オーバーさせると地球照の中のグリマルディの暗さやアリスタルコスが少し明るいことなどが分かりますね。びっくりです。
2024年11月12日記事に土星より内側について比較していますが、土星より外側の惑星の表面輝度を月と比べてみると下A図のようになります。海王星は平均的に4等以上も暗いのですね。さすがに月面模様と両立できませんから、海王星に合わせて撮影しました。それでもちゃんと青緑に見えるのには感動しました。
拡大は下B・C画像。海王星の大きさを捉えたかったので、土星掩蔽よりも更に2倍拡大率を上げました。それぞれの4枚組はだいたい1秒おきです。見ていた実感でもぬるっと消えてぬるっと出てきました。小さいとは言え大きさを持っているので、恒星のようにパッと消えません。実に面白い。シーイングが悪すぎてうまく精鋭像にスタックできないのが辛いところ…。
それから、月面でもイベントが重なりました。ひとつは月世界への招待サイトで東田さんが予報を出していたクラヴィウス・アイ。海王星掩蔽の潜入頃から終わった後のころまで良く見えました。海王星観察の合間に何枚か撮ったうち、下D画像は海王星出現直後のクラヴィウス・アイ。丸メガネが出切っていないけれど、雰囲気は感じられます。
もうひとつは当ブログで以前に紹介したプラトーRay。昨宵18:00前後の出現を予想しており、下E画像はまさに18:00に撮影したもの。既にメインのRayの他、南側にもRayが見えていますね。これより前の時間にも撮影しましたが、遅くとも17:40にはメインのRayが見え始まっていることが確認できました。撮影できませんでしたが、グルイテュイゼンの月面都市や出現間もない直線壁など良く見えていました。なお画像の向きを変える余裕がなかったので、この月面は海王星画像同様、上方向が天の北方向です。
この二日間、撮り切れなかった月面Xや木星の衝なども含め、天文イベントが集中した濃密な時間を楽しむことができました。お天気に感謝です。