火星と木星が大接近しました2024/08/15

20240815木星
今朝方、火星と木星の大接近があり、薄雲通過があったものの無事拝むことができました。前回の2022年05月29日より近く、見栄えの良い接近に感じました。星野全体像も撮影しましたが機器トラブルでうまく撮れてなかったので割愛。安定した空に見えたため望遠鏡で強拡大すると、ここ10年でトップクラスのシーイングになっていてビックリしました。「ザ・夏の夜空!」って感じでワクワクしました。ペルセ群も幾らか飛んでいました。

左画像は4時前の木星。簡単撮影ながら強い処理をしなくても細部が綺麗に浮かんできます。直接見ても模様がブレることなくピタッと止まる瞬間が多く、感動です。きっと「嵐の前の静けさ」なんだろうな…。大赤斑が沈んだ直後で少し残念でした。今後まだまだ高度が上がってくるので、残暑の中のチャンスを逃さないようにしなくちゃ。

20240815火星
右画像は木星に先立って撮った火星。大シルチスが左縁やや上に、キンメリアが右下の明暗境界近くに見えます。もう一週間すると明暗境界にオリンポス火山が、更に一週間経つと太陽湖やマリネリス渓谷が見えるでしょう。視直径わずか″あまりの小さな世界。一喜一憂が楽し過ぎます。

火星と木星の大接近は数年に一回のペースで起こります。ただし接近瞬時に見えるとは限りません。離角が2°以下になるチャンスを計算したので下表に載せておきました。今回は接近瞬時が両惑星が地平に顔を出す前後となってしまい、一番近くの様子を日本からは見えないケース。次回2026年11月16日は瞬時が昼間になってしまい、しかも低空のケース。なかなか難しいですね。直近で条件が良いのは2033年12月1日。宵空で観察可能、しかも離角が今回より更に狭いのです。うーん、10年も待つのかぁ…。

【火星と木星の大接近・2000年から2100年まで】
最小離角日時
(JST)
火星・木星離角
(°角)
火星・太陽離角
(°角)
木星・太陽離角
(°角)
火星高度
(°)
木星高度
(°)
太陽高度
(°)
2000年04月06日
14:42:11 JST
1.04223.61623.65361.36660.82239.832
2002年07月03日
22:20:07 JST
0.80612.11312.069-23.370-24.126-28.033
2004年09月27日
09:06:11 JST
0.1793.9363.97843.29443.37739.493
2006年12月12日
00:24:35 JST
0.79415.60015.599-60.532-60.199-73.303
2009年02月18日
01:13:40 JST
0.56119.06419.037-52.441-52.011-60.223
2011年05月01日
13:08:31 JST
0.36218.14118.15144.46044.33261.078
2013年07月22日
15:56:04 JST
0.78523.76623.74715.57015.12833.896
2015年10月18日
07:38:55 JST
0.37740.06740.05956.18955.96320.061
2018年01月07日
09:26:38 JST
0.20258.72858.72631.95532.15423.101
2020年03月20日
19:34:36 JST
0.70867.49367.468-76.471-75.763-21.233
2022年05月29日
19:21:17 JST
0.58364.73864.727-54.583-54.055-6.464
2024年08月14日
23:47:42 JST
0.30665.64265.633-2.264-2.491-40.264
2026年11月16日
11:34:05 JST
1.19287.93087.87112.75311.82535.596
2029年07月20日
00:02:37 JST
1.63282.06582.109-17.144-15.747-33.518
2033年12月01日
19:22:37 JST
0.18380.41680.40732.19932.303-34.935
2036年02月18日
08:54:17 JST
1.93574.90074.922-9.226-10.89926.158
2038年05月23日
08:06:43 JST
1.01454.28054.254-3.018-3.51041.681
2040年08月18日
10:43:13 JST
0.57936.50636.53131.44531.62963.368
2042年10月31日
00:30:30 JST
1.23727.81327.825-72.828-71.681-63.745
2045年01月04日
19:12:44 JST
0.50826.79526.774-5.491-5.324-30.085
2047年03月18日
17:08:36 JST
0.87626.08426.12132.96332.7457.665
2049年06月12日
00:03:35 JST
0.99016.63016.607-28.999-29.978-30.964
2051年09月08日
10:56:25 JST
0.0311.3091.28458.79058.76758.532
2053年11月24日
16:20:06 JST
0.73112.47212.489-6.918-6.3430.901
2056年02月02日
06:56:14 JST
0.70117.77217.74211.37911.9602.076
2058年04月12日
19:23:30 JST
0.15716.97916.987-31.043-31.097-14.770
2060年07月01日
10:36:23 JST
0.79220.25120.23777.00076.27070.475
2062年09月27日
05:50:58 JST
0.49834.44234.42636.65636.5262.856
2064年12月19日
00:50:21 JST
0.09253.48153.481-20.475-20.454-70.136
2067年03月04日
03:16:36 JST
0.62565.17065.1485.8216.260-35.153
2069年05月11日
22:09:21 JST
0.67664.25664.238-44.614-43.989-32.307
2071年07月26日
13:03:43 JST
0.11962.70362.70114.39314.35366.692
2073年10月22日
11:29:24 JST
0.95178.02777.98823.47422.79443.108
2076年06月28日
03:06:18 JST
1.15588.78288.827-41.858-40.747-14.225
2080年11月14日
19:40:20 JST
0.86681.41281.36825.82726.351-37.736
2083年01月27日
12:39:32 JST
1.75679.98180.02727.52526.04634.846
2085年04月30日
03:08:29 JST
1.41060.71360.679-28.748-30.152-19.206
2087年07月30日
09:26:05 JST
0.27741.04341.05515.03315.08754.331
2089年10月13日
23:46:52 JST
1.21930.19730.219-62.445-61.388-62.182
2091年12月20日
10:04:42 JST
0.79527.83227.81013.11713.79726.877
2094年02月27日
23:33:29 JST
0.63027.96527.992-42.035-42.361-61.953
2096年05月21日
11:19:03 JST
1.12120.75220.75164.05263.36174.143
2098年08月18日
18:41:47 JST
0.2625.7345.6870.3070.085-3.656
2100年11月07日
16:04:22 JST
0.6268.8708.9081.5022.0306.043
最小離角日時
(JST)
火星・木星離角
(°角)
火星・太陽離角
(°角)
木星・太陽離角
(°角)
火星高度
(°)
木星高度
(°)
太陽高度
(°)

  • 自作プログラムによる計算です。離角2°以下の全ケースについて、接近瞬時の各種状況を計算してあります。
  • 太陽高度がマイナスなら夜の現象、プラスなら昼の現象。火星や木星の高度がプラスなら空に見える、マイナスなら地平下で起こってるので見えない。
  • 接近していて太陽が沈んでいても、火星や木星の太陽離角が小さ過ぎる場合は低空すぎて見づらい。
  • これらはあくまで接近瞬時のお話しなので、数時間から半日ずらせば観察できる場合が多い。ただし最接近では無くなってしまう。


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