久しぶりの土星と月2024/07/30

20240730土星
7月も間もなく終わると言うのに天候不順が続いています。特に夜を迎えるたび曇ってしまうのは頂けません。楽しみにしている月や惑星の観察も全くできず終い。昨夕も雲量8割を超えていたので半ば諦めていましたが、夜半ごろ外に出ると雲が引き始めています。ひょっとしたら見えるかも?と、望遠鏡を外気に曝しておきました。

概ね雲が取れたころ土星が南中間際だったので撮影してみました。透明度はそこそこあったけれどシーイングは3/10くらいで土星が伸び縮みしています。せっかくの晴れ間ですから贅沢言ってられない。お預け食らっていたぶん、じっくり眺め、撮影しました。レアが土星面を通過中の様でしたが全く分からず。もう2時間ほど早かったら影も通過していました。最近は衛星の影まで写し取るアマチュアが増えましたね。すごいことです。私の貧弱な環境では無理ですが、タイタンならあるいは…と思い、チャンスを計算したことがあります。でも不思議なことに日本で見える機会はありませんでした。

タイタンの影が土星に投影される周期って笑っちゃうほど日本を避けています。公転半径も他の衛星と比べ遠いため、環が寝ている時期(太陽が環の面やタイタン公転面に近い時期)しか投影されません。ヨーロッパやアメリカあたりの経度なら、今年11月5日あたりからタイタンの影が投影され始め、2025年4月29日には影が環に重なる現象が見えるでしょう。ただし南太平洋・ポリネシア諸島のずっと東とか、南極辺りまで行く必要があります。タイタンの影の土星面通過は2025年10月6日で終了します。

今日明け方には月も観察できました。ただ、土星よりシーイングが落ちていました。そんなに低空だった訳じゃありませんが、薄明時は上空に太陽光が入っていきなり暖まりますから、シーイングの乱れが多いと感じます。数枚撮って雲がかかり始めたので諦めました。下に三枚掲載。

A画像は夕方になりつつある虹の入江周辺。雨の海の溶岩流を期待しましたが揺らぎが酷く歯が立ちません。入り江内、ビアンキニの東に「影X地形」が見えます。グルイテュイゼンガンマ&デルタも目立ってきましたね。画像右縁にかかってしまいましたが、「月世界への招待」サイトで紹介されていた「赤ちゃんとガイコツ」のペアが見えました。個人的にガイコツは分かるのですが、赤ちゃんのほうはどう見てもエビフライ。または百歩譲ってボウフラ。後ろ足がもっとプックリ可愛かったらなぁ…。

B画像はコペルニクスとその南側。月面N地形の日照が反対向きになり印象が変わりました。フラ・マウロにかけて荒々しい地形が際立ちます。ホルテンシウスのドーム群をはじめ、いくつものドーム地形も見えました。下辺ぎりぎりにヘルメットのアヒル親子(親のみ)が入り込んでました。

C画像は南部です。バイイは対岸まで見えていました。欠け際を飾るのはロンゴモンタヌス、シャイナー、ヴィルヘルムなど。ブランカヌスは中が真っ暗で縁だけ光ってます。シラーからナスミスあたりまで入ったのですがシッカルトには及ばず。これくらいの月齢では縦構図か横構図かいつも迷います。月のそばにはプレアデス星団が輝いていました。今年あたりから月赤緯がプレアデスに届き始め、2027年あたりまで大接近や掩蔽が続きます(2023年12月25日記事の図参照)。電線越しでしたが明るい木星と暗い火星、そしてアルデバランが二等辺三角形を作っていました。明日は月も加わります。

  • 20240730虹の入江、ピタゴラス、ランバート

    A.虹の入江から雨の海西部
  • 20240730コペルニクス、ラインホルト、フラ・マウロ

    B.コペルニクスからフラ・マウロ
  • 20240730ハインツェル、シラー、ロンゴモンタヌス

    C.カプアヌスからバイイ


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