ひとしれず金星と木星が大接近2024/05/24

20240523-0706UT_SOHO_LASCO-C3
昨日23日夕方、地球上からは見えない太陽近傍で金星と木星が大接近しました。この様子を太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラが捉えています。

左画像はSOHOサイトからの引用で、23日7:06UT(16:06JST)の画像。金星と木星がダルマのようになっていますね。前後のSOHO画像を見比べ、最も近いと思う画像を選びました。なお地心計算では17:19:12JST、日本経緯度原点での測心計算では17:21:00JSTが最接近時刻です。

SOHOは太陽-地球系ラグランジュ点L1(地球から太陽側に約150万km近い地点)を周回するハロ軌道にいますから、地球から見た場合とは惑星の視位置が若干異なります。最接近の時刻差はこのためです。太陽近傍にはプレアデス星団やヒアデス星団が見えています。ヒアデス星団筆頭のアルデバランはまだ写野外ですが、もうすぐ現れるでしょう。なかなか豪華な眺めですね。

日本経緯度原点での測心計算では、今回の大接近は離角0.1901°という稀なものでした。離角が0.2°を下回ったケースは2014年08月18日(0.1976°)や2016年08月28日(0.0664°)に起きていますが、いずれも昼間だったり超低空だったりと、条件は良くありません。次回は2040年09月02日2:39:50JST(0.1687°/日本から見えない)、

金星の外合・通過経路
2041年11月18日9:15:40JST(0.1354°/昼間)、2056年02月12日22:03:11JST(0.1197°/日本から見えない)と、やはり条件は良くありませんね。離角1°内外まで「ほどほどに近い」ケースはそれなりに起こりますから、それらを楽しむとしましょう。直近では来年2025年08月12日明け方でしょうか。

ところで、金星は向かって左に移動しており、6月4日から5日にかけて“太陽によって掩蔽”されます。多くの場合、金星の外合は太陽位置から外れたところを通りますが、5回に1回は太陽に隠されるルートを通ります。

右図は2022年10月22日記事に掲載した金星外合時の太陽との位置関係。前回太陽に掩蔽されたのは2016年6月の外合時でした。次回は2032年6月の外合時です。16年ごと、5月末から6月頭にかけて起こる外合は太陽に掩蔽される、という結果になっています。実に興味深い周期性ですね。

コメント

トラックバック