厚い雲越しに月を観察2023/09/27

20230926_シラー・ズッキウス・ベイスン
昨夕は晴れ間があったものの、月が隣家の屋根から顔を出す頃にはもう雲だらけ。雨雲域も通過しました。仕方なく、かなり厚めの雲越しに月面を無理矢理撮影。シーイングは言うまでもなく、取得枚数も極端に少ない状態でした。どうにか仕上がったものから抜粋で掲載します。

左画像はシラー・ズッキウス・ベイスン付近。上弦側でちゃんと3重目まで凹んでいるのが確認できました。シャイナーの小さなX字形は全く見えず。いつごろ見え始まるのかなかなか見定められません。ハインツェルAを見ると映画「ターミネーター2」に登場する敵役・T-1000の液体金属ボディに付いた銃弾跡を思いだします。(分かってもらえなさそうな例えすぎる…。)ここからラムスデン方面にのびる谷(チェーン・クレーター?)が気になりました。南極側も見たかったけれど雲に阻まれ時間切れ。

20230926_湿りの海
ガッサンディや湿りの海付近も何とか観ることができました。メルセニウスがちょうど夜明け。ヘルメットのアヒル親子も辛うじて確認。アヒルはもう半日から1日前のほうが子どもの列も目立って見やすいかも。

ヘリゴニウス谷の一部が見えますが、まだまだ分解能が足りません。右下側にConcentric craterのヘシオドスAやマルトが写っています。

個人的なお気に入りはウィテロ(ヴィテロ)・クレーター。内側に明るく光る「白い円」が見えていますが、これは谷があるんだそうです。不規則なガッサンディ谷と違い、人工都市のように思えてしまいます。国際宇宙ステーションから見た東京の夜景みたいな感じ?壁の一部が消えている不完全なクレーターが多い中で、なぜかここだけ環状線みたいな幾何学模様で異質な印象。地球からはリム近くであまり見えないけれど、フンボルト・クレーター内も人工都市みたいな谷が走っていて興味深いですね。

20230926_コペルニクス、ケプラー、フラムスチード
この辺りは前日に撮りたかったけれど、雲が多過ぎてだめでした。と言っても、この画像も雲が厚過ぎてようやくフレーミングできた有り様です。ホルテンシウスのドーム群はほとんど分からなくなりました。ドーム頂上の小クレーターが何とか見えてます。エンケ東にある三つのお団子クレーターを確認。極細のミリキウス谷は全く写りません。

コペルニクスのXの変化
二日前の記事に書いたコペルニクス西のX字形はまだ光っていましたが、周囲が明るくなったぶん目立たなくなりましたね。その西、T.マイヤーCの近くの「逆くの字」のほうが明るいX字形に見えており、こちらのほうが目立ってしまいました(右画像)。マリウスからフラムスチード側に伸びたリッジがとても目立ちます。かなり見づらいけれどフラムスチードGでRay現象が起きているようです。このあとアリスタルコスあたりまで北上したかったけれど雲が厚くなり断念。

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