朝を迎える直線壁2021/04/21

20210420アペニン山脈からアルキメデス・クレーター
月面の名所「月セブン」(月面七福神)を提言された知人の中川昇さんが「20日は直線壁を見よう」とブログで呼びかけていましたので、昨夕は日暮れとともにさっそく準備。

日中に暑くなる時期がいよいよ始まったため、宵の天体観望には「博打」な面があります。夕方から急に気温が下る場合があるので、シーイングの当たり外れが激しいのです。もちろん観察場所や周囲の地形にもよるけれど、上空の大気の入れ替わりや地表・建物の熱放射など夜の入り口にシーイングを乱す要因がたくさん増えますからね。

一昨日19日は「当たり」でしたが、昨夕は「はずれ」でした。それでもめげないのがお気楽アマチュア。なにかテッペンを目指してるわけじゃないから、見え味悪いなりに楽しめます。望遠鏡を月に向けると、ゆらゆら、ゆらゆら。

アペニン山脈(左上画像)がいい具合に凹凸強調されて目を奪われました。左上の大きなアルキメデス・クレーターも朝を迎えています。山脈の北部、アルキメデスと同じくらいの北緯に、右に向かって大きくえぐれた場所がありますね。ここはアポロ15号の着陸地点(アーカイブ「アポロ着陸地点の観察」参照)。きっちり50年前の7月のことでした。「アポロ着陸50周年」は一昨年で終わっちゃったのではなく、来年2022年12月の「17号50周年」まで続きますよ。どうかお忘れなく。

少し北へ望遠鏡を振ると、「月セブン」のひとつ、アルプス谷が見えました(下A画像)。シーイング悪すぎて谷の中の谷がよく分かりませんが、画像ではなんとなく写っていました。画像右サイドの斜めに並ぶクレーターはアリストテレス(上側)とエウドクソス(下側)。この辺りのカルメ焼きっぽい、煎餅っぽい質感がたまらない。また画像左サイドのリンクルリッジも斜陽で強調され、見事に浮かびあがっています。

直線壁断面標高
肝心の「直線壁」はまだ日が当たり始めたところで、撮影時はかなり暗く感じました(下B画像)。壁の影が長いですね。バート谷あたりは暗すぎてよく見えません。一例ですが、直線壁を横切るように南緯21°に沿って西経11°から6°までの断面標高を図化すると右のようになりました。直線壁の純粋な崖部分は200mの高低差、西側低地からだと350mほどの高低差です。日の当たり方でバート谷のほうが深く感じることもあるのですが、この図を見る限り気のせいだと分かるでしょう。下B画像には月面X地形もしっかり写っています。探してみてください。

  • 20210420アルプス谷からアリストテレス・クレーター

    A.アルプス谷からアリストテレス・クレーター
  • 20210420直線壁と月面X付近

    B.直線壁と月面X付近


(追記)前夜に続き、日付が変わり月の影響が少なくなった頃から彗星を撮影。今回は下記のふたつです。両方とも晩春から夏に向けて明るめの予報が出ているのですが、星仲間のdocanさんが眼視観測したところ7Pのほうがはっきりしないとのことで、どういう状態か確認するため撮影しました。C/2020 T2は淡いけれどコマが広がっているのが分かります。何より核がとても明るい。でも7Pは暗い核は確認できるけれど、コマがあるような、無いような…。運悪く輝星がそばに来てしまったので分からないだけかも知れません。少し経ったら再度撮影してみましょう。

  • 20210421パロマー彗星(C/2020 T2)

    パロマー彗星(C/2020 T2)
  • 20210421ポンス・ヴィネッケ彗星(7P)

    ポンス・ヴィネッケ彗星(7P)


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