夕空を飾るハロ現象…からの、惑星超接近観察2020/12/20

20201219太陽柱と幻日
昨日はまたしても前日と同じ天気の変化…日中晴れていたのに夕方雲が湧いてしまうのでした。日没まで1時間を切ったころベランダに出ると左画像のようなお天気。このあと雲が激増するのですが、その最中に左右の幻日と太陽柱がよく見えていました。撮影時、太陽はもう雲の中で見えません。跡切れ跡切れの太陽柱がかなり上空まで伸びていて、久々に感動しました。

接近中の木星と土星は日没位置の10°ほど南側(左側)、高度15°あたりで観察します。幻日は内暈(22°ハロ)より少し外側なので、惑星たちの方位は太陽柱と左の幻日との真ん中あたり。こんな気象光学現象の観察でも、目印が無い空で位置関係の把握に役立つわけです。

20201219木星と土星の接近
さて、前日より雲量が少ないのに、またしても木星と土星のところだけ雲が厚くてどいてくれない…という嫌がらせを受けました…。何とか耐え忍び、僅かな雲間から惑星や衛星を撮影したのも一日前と一緒。予定枚数よりずっと少ないですが、どうにか画像を組み上げることができました(右画像)。

撮影時の両惑星離角は約17.3′角。肉眼では木星の輝きが涙やまつげで滲むため、土星の存在が分かりづらくなってきました。指で木星だけ隠すと見えます。撮影はまた一段シフトを上げて、合成焦点距離が6000mmオーバー(35mm換算)です。それでも同一視野なのが驚きですね。この拡大率だと、木星は縞模様(NEB、SEB)だけでなく大赤斑も写ってくれました(向かって左下)。今日もガリレオ衛星は4つ。右にイオ、左はエウロパ、ガニメデ、かなり離れてカリスト。ごく淡くて分かりづらいけれど土星のタイタンも写っていますよ。

19日から23日まで、この写野の大きさを出ることなく超接近が起こります。師走の慌ただしい中、クリスマスツリーに完敗するほど地味な星々の邂逅ですが、ぜひ多くのみなさんに見てほしいと思います。

今日の太陽2020/12/20

201220太陽
昨夜から今朝は一部曇り、のち快星。最低気温マイナス4度。明け方には関東で国際宇宙ステーションの天頂通過が見えました。もうかなり明るい時間でしたが、見送ることができました。朝からは晴れていますが少し雲が湧いています。また、6m/s前後の強風が吹いてます。

20201220太陽リム
左は10時過ぎの太陽。活動領域12792・12793は存在しているけれど黒点はなく、静穏です。(静穏な活動領域って…どっちやねん!)目立つプロミネンスも見当たりません。左下に活発な領域が現れ始め、可視光では白斑が見えるようですが、今のところ黒点はありません。まだ領域中心部は地球から見えない位置です。

2020年の台風23号が発生2020/12/20


20201220-0600ut台風23号
気象庁によりますと、18日21時より「台風になるかも知れない」とされていた熱帯低気圧が、本日15:00に台風23号「クロヴァン/KROVANH」になったとのこと。直前の台風22号発生から41日後、22号消滅から34日と15時間後の発生です。

左は発生時の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、薄水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点線円は台風中心の直径1000km円を表しています。

23号はのもとになった熱帯低気圧はフィリピン諸島南部にありましたが、もう西側へ抜けました。日本への影響は少ないものと思われます。でも現地では年末押し迫る時期なのに落ち着いてられませんね。影響が少なくなるよう、祈っております。