接近を続ける木星と土星2020/12/17

20201216木星と土星の接近
昨日16日も良い天気でしたが、やはり夕方になると西空を雲が覆います。雲越しでもいいから木星と土星の接近を見ようと準備。結果的に一晩前より良く晴れました。15日は隣家のアンテナが邪魔な位置だったため配置を若干変更し、うまくクリア。おかげて障害物の影響も少なく、かなり暗くなるまで観察や撮影ができました。

一晩前の撮影より焦点距離を400mmほど伸ばしたのに同一視野に入ります。(実質1600mm+APS・多段階露光の組み合わせ。※画像上方向が天の北方向。)ただただ感動ですね。左画像では分かりづらいけれど、これくらいの拡大率なら木星の縞が淡く写ります。衛星は4つ全部見えました。木星の右側にガニメデ、左側は木星に近いほうからイオ、エウロパ、カリスト。イオとエウロパの間に11.2等の恒星が写りこみました。土星の衛星はタイタンとレア、それに薄っすらとテティスも写っているようです。

Fが暗くなったぶん背景の恒星は少なくなりました。もちろん露出を伸ばせばいくらでも写りますが、惑星が明るいため白飛びエリアやゴーストも増えてしまいます。強引な画像処理になってしまうので程々に抑えました。背景の恒星に対して惑星位置が動いている、という記録が取れれば十分です。

撮影時の惑星間角距離は約36.7′角。今日17日はいよいよ30′角を割り込みます。月の視直径と同じくらいですが、偶然にも三日月が2惑星と一緒に並んで素晴らしい夕景ですから、ぜひ比べてみましょう。

氷山から島まで60km!2020/12/17

20201216氷山A-68Aの動き
サウスジョージア島に迫る氷山A-68Aを毎日追いかけています。(→2020年12月12日記事参照。

左は地球観測衛星Terraの画像を使って12月11日から昨日16日までの氷山位置を検出したもの。(画像引用元:NASA-WorldView/地図・トレース等は筆者/12日は雲が厚くて判別不可能。)地図図法を介した画像のため正確な言い方ではありませんが、11日の位置から約74°時計回りに回転しつつ島に接近しています。16日時点で島との最短距離は60km強。島棚の浅瀬で辛うじて踏み止まってる感じです。

ペンギンたちは餌を求めて時に数百キロから千キロオーダーの遠泳をしますが、氷山の影響で餌場が移動もしくは遮蔽されてしてしまうと、餌が取れなかったり、帰れなくて力尽きたり、留守番の雛が餓死してしまいます。ペンギンたちは衛星を使って環境を俯瞰してるわけではありませんから、迫りくる環境危機を知る由もないでしょう。大丈夫かなぁ…。

今日の太陽2020/12/17

20201217太陽
昨夜は快星、明け方の気温はマイナス5度まで下がりました。年間でもなかなか見ない数値、しかもまだ12月なのに…。今朝からもよく晴れています。いつものごとく風強し。

20201217太陽リム
左は10:30過ぎの太陽。活動領域12791は見えなくなり、今は12792と12793のみ。12793の小黒点がこのHα波長でも分かるくらいになりました。プロミネンスの規模は総じて小さくなっています。