三連ちゃんで珍しい渦列が発生2020/10/08

20201006-1200JSTカルマン渦
台風14号が西日本や南西諸島に迫ってきました。この影響で5日頃から列島の多くの地方に北寄りや東寄りの風が入り始め、日に日に寒くなっています。当地・茨城も朝に水道を出した途端「冬か!」と思うほどの冷たさを覚えました。まさに寒露。

10月6日には済州島から吹き流れる特徴的な渦列「カルマン渦」がクッキリ見えました。左画像は6日12時の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。衛星画像を眺めるのが日課の筆者はひと目見て珍しいと感じました。済州島のカルマン渦そのものはしょっちゅう出ますから珍しくありませんが、向きが珍しいのです。

以前2018年3月17日に見つけたとき記事に書いたことがあります。この地域のカルマン渦は大陸から大洋へ向かう風由来であることが多いため、ほぼ例外なく南東または南へ流れます。西向きの成分が加わることは滅多にありません。

20201007-0600JSTカルマン渦
左上6日のものは経線をたどると分かるように、特に風下で真南ではなく少し西へ流されていますね。アメダスデータを見返すと、迫る台風の影響で西日本以西はことごとく北東や北北東の風が吹いていました。カルマン渦の方向にもその影響が出たと思われます。

翌7日に済州島のカルマン渦は消えましたが、今度は屋久島をスタートして南西諸島に沿うような渦列が朝のうち見えていました。右画像は7日6時の衛星画像。夜が明けきってないため、赤外波長の白黒画像です。屋久島起点の南西向きカルマン渦もまたレア!前日より更に西向き要素が強くなっていますね。

20201008-1200JSTカルマン渦
そして本日8日。カルマン渦の起点は済州島に戻り、なお一層西向きベクトルが強まりました。左画像は12時のもの。6日のゆったりした渦と比べて小さく細かい周期になっており、「旗のはためき」が強まっているのが一目瞭然です。

このエリアで西向き成分のあるカルマン渦は強い低気圧が適切な位置になければ発生しませんから、それだけで希少なのに、それが3日連続で見えるなんて本当に驚かされました。はてさて、明日以降はどうなる!?

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