雷通過後の空で火星観察2020/09/10

20200910火星
昨夕の当地・茨城県南は雷雨の通り道と化し、夜半前まで天気が不安定。明け方近くなって晴れましたので火星を観察するべく一応望遠鏡を出したのですが、細かい大気の乱れがずっと続いてました。

一晩前よりは風が弱まってたので多少期待したのですが、いざ撮影してみると、前夜の画像に比べて地形細部がなかなか浮き上がりません(左画像)。撮像フレーム数も倍にしましたが焼け石に水。なんと言ってもシーイングの良し悪しは惑星強拡大を左右しますね。

火星は昨日9日から視直径20″を越し始めています。木星の半分弱、土星の本体より大きいのですから、もう十分に観察絶好機です。大接近まで何日も晴れないと思われますから、時間が許す限り観察してくださいね。

ところで、いつ頃どんな地形が見えているのか大雑把に知る手段がなかったため、いちいちプラネタリウムソフトを立ち上げなくて済むよう、自作プログラムを作って簡単な対応図を描いてみました(右下図/12日追記・詳細版に変更/図内の火星画像はNASAより引用)。見たい地形があれば、地形経度を横にたどって一番近いプロットを探し、その日の夜中に見ればバッチリ。ただし観察時刻によって変化しますからご注意。

火星の中央経度
火星の中央経度は地球に対して1時間あたりおよそ14.6°西から東(北を上にしたとき左から右)へずれます。火星が正反対を向く(中央経度が180°変わる)まで、12時間20分程度。日本の真夜中に見た火星と、日本の真反対位置で真夜中に見た火星とでは裏側同士を見ることになるわけですね。

毎日同じ時刻に見た場合を考えると、24時間ではまだ一周回りきってないため、マイナス9°前後のずれ(時期によって増減します)、つまり日周と逆の西へずれるように感じるわけです。右図の赤プロットは0:00JSTの中央経度、青プロットと緑プロットはそれぞれマイナス3時間(前日21:00)とプラス3時間(3:00)の中央経度を示します。このように、違う時刻に観察する場合は約15°/h相当の調整をお忘れなく。(例:火星接近数日前の真夜中はオリンポス山の経度が正面です。観察時刻が真夜中の4時間前なら約60°戻ってマリネリス峡谷付近、真夜中から4時間経った観察なら約60°進んでエリシウム山付近の経度が正面です。)

今日の太陽とハロ現象2020/09/10

20200910太陽
明け方は晴れていたものの、日が高くなるとかなりの雲量になりました。雲間を縫って、なんとか太陽観察しました。

20200910太陽リム
左は10:20頃の撮影。活動領域はありませんが、南半球中緯度、中央子午線やや左寄りに活発な領域ができつつあるようです。左のHα画像でも若干明るくなっています。左下リムには素晴らしく大きなプロミネンス。左上にもありますね。右上のダークフィラメントはもう少しで顔を出しそう。(夕方追記:15時時点で見え始めていました。)

20200910光環
太陽観察中もたくさんの彩雲や光環が出ていました(右画像)。風がやや強く、午後にかけてまた時雨れてきそうな天候です。なかなか安定しませんね。