南に低い花名月、M61には明るい超新星も2020/05/08

20200508満月
昨日日中はよく晴れましたが、夕方になると雲が…。こりゃ今夜の満月は無理かなぁと思っていたのですが、その後回復し、何とか月を撮影することができました。しばらく彗星や小惑星にかかりっきりだったため、月の拡大は久しぶりです。シーイングはやや悪いものの、透明度がとても良く、気持ちの良い花名月を堪能することができました。

左は日付が8日になり南中を過ぎてから撮影したもの。ミネラルムーン色調に仕上げてあります。満月瞬時は7日20時前でしたから、6時間ほど過ぎており、右側が若干欠け始まっていますね。約1ヶ月前、4月の満月は 今年一番の大きさでしたが、今月の満月も負けていません。また秤動が4月よりも南側にお辞儀しているため、例えばプラトーの位置が北極側の縁から遠くなったことがわかるでしょう。残念なことに向こう4ヶ月ほどの満月は赤緯が低くなるため大気の影響を受けやすく(→2020年3月7日記事「月の赤緯変化と朔望月のタイミング」グラフ参照)、我が家のように街中からだと障害物が多すぎて見える時間が限られます。

20200507_SN2020jfo in M61
話は前後しますが、日付が変わる前に「メシエ天体M61に明るい超新星が現れた」と星仲間の(の)さんから情報を頂いていたので、撮影してみました(右画像)。過去にもたびたび超新星が発見されていましたが、今回は15等前後の明るさで、発見したのは Zwicky Transient Facility (ZTF) のチームです。

ほどなく分光されてType IIということも分かり、今後しばらく観察できそうです。日が暮れた頃にはもう見やすい位置ですから、チャンスがあればぜひご覧くださいね。

SWAN彗星が見えてきました2020/05/08

20200508SWAN彗星(C/2020F8)
南半球ではもう肉眼彗星になっているSWAN彗星(C/2020 F8)が、ようやく日本の空でも見えるようになってきました。といっても夜明けの東、超低空ですが…。

左画像は今朝の航海薄明開始時刻に撮影したSWAN彗星。中央やや左下寄りに緑のコマがぼんやり見えていますね。よくよく見ると水平やや右上に向かって淡く尾が伸びています。

SWAN彗星は5月いっぱいかけて北天に向かいますが、高度はあまり高くならず、水平に移動します。また、5月に入った頃から光度が急に落ち始めたため、アトラス彗星(C/2019 Y4)の崩壊のような二の舞になる心配も出てきました。観察機会を逃さず、ぜひ開けた場所でご覧になってください。

今日の太陽2020/05/08

20200508太陽
昨夕から薄雲付きの晴れ間が続き、朝からは快晴となりました。

20200508太陽リム
左は14時ごろの太陽。活動領域12763がまだ右上リムギリギリにあるようですが、この画像からは分かりません。左サイドのあちこちに立派なプロミネンスが確認できました。