複合的に起こる災害2020/04/13

20200413-1300降水
本日の当地・茨城は朝から激しい風雨が窓を打ち付けています。まるで台風のよう。ときおり雷鳴も聞こえました。午後もまだ続いており、今夜遅くまで荒れる予報です。左は気象庁サイトからの引用で、13:00の降水ナウキャスト。大雨エリアが千葉や茨城などを赤く染めています。

昨日から急速に発達した南岸低気圧。西日本を経由し、本日は東日本に到達しました。左図1枚だけ見ても分からないと思いますが、降雨エリアは西から東へ一方的に移っているのではなく、巨大な渦巻きのように複雑に絡みながら移動しているのです。

今日未明は三重県に二度も記録的短時間大雨情報が発表になり、また10cmを越える大雪になった地域も少なくありません。千葉県には警戒レベル4の土砂災害警戒情報が出ました。当地でも12時台に竜巻注意情報が発表になっています。コロナウィルス報道が多すぎてあまり話題になりませんが、今年春までの天候異常は特筆すべきことが多いです。暖冬、少雪、桜の異常開花、多雨…。

たとえば前述の「記録的短時間大雨情報」ですが、1月から4月までに発表された件数は、2013年2件、2015年4件、2017年1件、それ以外はゼロ。対して2020年は今日時点で14件にのぼりました。圧倒されますよね。局所的な大雨ですから、これを持ってして「今春は全国的に雨が多い」とは言い切れませんが、少なくとも「局所的な大雨が頻発」していることは確かです。

1月-4月の降水・年変化
気になったので、1月から4月までの降水量が年ごとにどう変化しているか、1980年以降の気象庁アメダスデータを使い、自作プログラムを組んで集計してみました。全アメダスポイントを集計したいところですがマシンパワーが無いので、「各都道府県代表点1箇所+広い県はプラスα」での合計値としました(右図)。ただし今年分はまだ4月が終わっていませんから、昨日までの集計です。

一応、雪としての降水が多そうな福岡から青森までの日本海側12箇所+北海道4箇所を青、その他を緑として分けた上で積み上げ棒グラフにしました。これを見る限り今年だけ特別という感じでは無さそうですから、今年の少雪や局所的大雨の頻発は自然の気まぐれと言えましょう。ただ、「だから安心」とも言えません。春までに根雪が溶けてしまったことから、夏に渇水が起こりやすい状況だし、インド洋が高温のため、晩春から夏にかけての多雨・日照不足も心配(→気象庁資料)。だからといって猛暑や酷暑が少ないとも言い切れない。自然は気まぐれで揺らぎます。

加えてコロナウィルスが続きますので、一箇所に避難しなくてはならないような気象災害が発生したら一発アウト。大抵の避難所は狭いので、ソーシャルディスタンスなどと言ってられません。災害で大怪我しても病院は塞がってますし、災害が去ってもインフラや家屋の修理が一向に進まないでしょう。もう、その「複合災害」の時期は始まっています。ひとつだけ考えていては何も解決しません。昨年の台風10・13・15・17号、および台風19・20・21号のような連続災害が今年は起こらないなんて、誰が言えるでしょうか。

参考:
アーカイブ:記録的短時間大雨情報のリスト
2019年・台風関連の記事(ブログ内)