透明度に恵まれた夜半前の空2020/04/06

20200405金星とすばるの大接近
昨日は朝から午後までずっと雨だったのですが、夕方前に晴れ出しました。夜になるとここ数日から考えられないほど抜群の透明度。宵のうち既に気温が4度まで下がり上空のモヤが盛大に結露したためでしょう。機材には酷ですが、この時期の透明度は宝物です。

昨日の記事に「満月期なので淡い天体は一週間ほどお別れ」などと書いたばかりですが、早速自分を裏切ってしまいました。この透明度なら月明かりが強くても問題なくアトラス彗星(C/2019 Y4)が撮れるはず。おっと、その前に宵空の金星とすばるを写しておこう…ということで左画像。まだ薄明中でしたが、いつもより画角を広げ、ヒアデスまで入れた構図にしてみました。画像上方向が天頂方向です。めまいがするほど金星がギラギラ輝き、星団たちも美しい。しばらくは金星とのランデブーが楽しめそうです。

続けて望遠鏡を交換、アトラス彗星が低くならないうちに撮影開始。20時台にこの彗星を撮るのは初めてです。5月に見えなくなるまでこれがルーティーンになるなら結構慌ただしいですね。彗星は思った通りとても良く写りました(下A画像)。昨日と比べて月が明るいぶん不利なのに、全く同じ設定で撮ったとは思えないほど画質が滑らか。透明な空は良いですねぇ!長い尾もシュッと写りました。頭部から何か出てる??コマに斑があるような…。それから、実際に撮影している方は分かると思いますが、彗星の天球上の動きが1ヶ月前より遅くなったのが実感として分かるようになりました(→3月23日記事のグラフ参照)。

あまりの空の良さに嬉しさ余って、地球へ接近中の小惑星「1998 OR2」も撮ってしまいました(下B画像)。こちらはアトラス彗星と反対に見かけのスピードが大幅増でビックリ。最接近まで残り三週間とちょっとですから、これから爆発的にスピードアップ&増光しますよ。撮影が終わる頃から雲が出始め、すぐに全天を覆ってしまいました。間一髪!

  • 20200405アトラス彗星(C/2019 Y4)

    A.アトラス彗星(C/2019 Y4)
  • 20200405小惑星1998 OR2

    B.小惑星1998 OR2


参考:
アトラス彗星(C/2019 Y4)に関係する記事(ブログ内)

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