またまた板垣さんが超新星発見!月面観察も敢行2020/01/14

20200114_SN2020ue in NGC4636
またも板垣公一さんが発見です。昨日13日明け方近く、おとめ座にある系外銀河NGC4636に15等という明るい超新星候補天体が発見されました。発見者は山形県の板垣公一さん。昨年末から三週連続の快挙で、もう「週刊・超新星」を創刊できるんじゃないだろかという勢い。

この天体はその日の明け方までに京都大学の「せいめい望遠鏡」によって分光観測され、Ia型の超新星「SN2020ue」に確定しました。

今朝方早速撮影したかったのですが、折り悪く夜半前から雲が多くなってしまいました。月が近くにあって、しかもときおり強めの風が吹いたため望遠鏡が揺れます。劣悪環境のなか途切れ途切れになりつつも何とか1時間余り露出し、画像を得ることができました(左画像)。とても明るく、青白く光っていますね。

20200114_SN2020oi in M100
SN2020ueが昇るのを待つ間に、1月10日にも撮影したM100の超新星「SN2020oi」も撮影しました。(といっても両者は14°しか離れてないのですが…。)こちらは更に増光している様で、至近の強烈な月明かりにも負けず、短時間露光なのに右画像の通りしっかり写ってくれました。両天体ともしばらく楽しめそうです。

ところで昨夜は月もメインターゲットでした。13日夜に昇ってきたころには「オニール橋」が見頃、そして14日明け方には「月面K」が見頃だったのです。

オニール橋のころはまだ月が低く、最悪のシーイングでボケボケ。それでも「橋」や「橋の下を通りぬける光線」のように見える日照地形を確認することができました(下A画像)。予報する上で、実際の観察は欠かせません。机上シミュレートでは21時半頃から1時間かけて「橋の下を通りぬける光線」が弱くなる予定でしたが、実際は22時の段階でもしっかり見えていました。この後は雲が出て観察不可能だったけれど、思っていたより予報時刻を長めに設定できるのかも知れません。

月面Kのころも雲が多く、シーイングはますます悪くなる一方でしたが、雲間を縫ってなんとか存在を確認できました(下B画像)。コンディションの良い空でじっくり観察したいものです。

  • 20200113_2200オニール橋

    A.オニール橋付近
    13日22:00頃
  • 20200114月面K

    B.月全体と月面K
    14日4:25頃


今日の太陽とハロ現象2020/01/14

20200114太陽
朝のうち雲が多かったものの、午前いっぱいかけて少しずつ晴れ間が広がりました。日向は1月とは思えないほど暖かいです。

20200114太陽リム
左は11:30頃の太陽。活動領域12755は右リムに沈んでしまいました。中央やや右にまだ活発な領域が確認できます。プロミネンスは右リムのあちこちに出ているようですが、コントラストが弱くて良く分からないですね。

午後にはまた雲が増えてきました。明日朝は雨の予報です。ゆっくり崩れてゆく空を見ていたら、15時前後にかけて様々なハロ現象が見えました。太陽回りには内暈。雨を予感させます。太陽右には弱い幻日。下A画像では分かりにくいですが、時々目立っていました。

太陽上方に目を向けると、環天頂アークも見えていました(下B画像)。その下方に見える上部タンジェントアークとともに結構鮮やかです。しばらく環天頂アークの盛衰を観察していたのですが、何か違和感を覚えました。肉眼では分からなかったためカメラにおさめ、部屋に戻って強い画像処理を施すと……なんと!たいへん立派な上部ラテラルアークを伴っていたのです(下C画像)。ここまで多様なアークが出そろったのは何年ぶりでしょう。

  • 20200114太陽周囲のアーク

    A.太陽周囲の様子
  • 20200114環天頂アーク

    B.環天頂アーク
  • 20200114太陽上部のアーク

    C.太陽上部の様子