曇ってしまった半影月食2020/01/11

20200111_17853月
今朝方は満月で、全国的に半影月食が見える予報でした。ところが当地・茨城県南部は宵の頃から雲が湧き、月食開始直前まで辛うじて月が見えていたものの、月食時間はほぼ全滅でした。東に昇る月の左側にかなり明るい幻月が見えたのが印象的でした。(ほんの1分ほどだったため、写真は撮れませんでした…。)

左は月食開始約30分前の月。太陽黄経差は約178.53°、撮影高度は約61.2°、月齢15.48、ミネラルムーン色調仕上げです。この撮影時も度々雲の通過がありました。良く見ると、月の南側(画像下)がわずかに欠けていることが分かるでしょう。この色調で見た場合、半影月食の色合いや光条の明るさ変化がどうなるか、楽しみにしてたのですが…。次回にお預けです。

今年中に地球のどこかで見える月食は4回あります。その全てが半影月食です。こんな年もあるのですね。2017年8月8日の記事に「満月の時、地球の影はどこにいるか」ということを書きました。このとき「月中心と地球影中心の離角」を計算してグラフ化しましたが、2019年から2025年にかけて起こる満月について再描画すると右下図のようになりました。

2019-2025_満月時の月−地球影離角
これを見ると、半影食・部分食・皆既食はランダムに発生しているのではなくて、緩やかな周期がありそうだと分かるでしょう。今年は月食が起こりにくい(白道が地球影にあまり近づかない)期間に入っているわけです。同じようなことが2023年から2024年にかけても起こるようです。

もうひとつ、2021年11月19日の月食が、他の皆既月食と同じくらい地球影に近いにもかかわらず部分月食になっていることが興味を惹きますね。これは、月食の状況判定は「月中心と地球影中心の離角」のみで単純に決まるわけではないということ。詳しく解き明かしたい方は、月までの距離や、その距離で地球影直径がどれくらいになってるか、どのような経路で地球影に接近するのか、などを計算してみてください。

なお月食とは関係ありませんが、今日からの三連休最後の13日夜に「オニール橋」が観察できるようです。月高度は低いけれど、もし晴れて観察可能なら20:30頃からの1時間に注目してください。時間の条件は月面Xなどよりずっとシビアですからお間違えない様に!またその7時間後、つまり翌日明け方には月面Kも見えます。今年の中ではベストに近い条件でしょう。

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