太陽観測衛星が捉え始めた木星2019/12/18

20191217-2142-LASCOC3
予想通り、昨日17日夜からの太陽観測衛星SOHO・LASCO-C3カメラ写野内に木星が写り始めました。左はSOHOサイトからの引用で、17日21:42UT(日本時間18日6:42)の画像。画像左隅の明るい星が木星です。写野左上から左下にかけて雲の様に写っているのは天の川。このカメラにはたくさんのノイズが写るため、恒星の特定には前後数枚の画像を比較暗で重ねても消えずに写っている像で行う等の工夫が必要です。特定してみると部分的に7等程度は分かるので、こうして天の川や明るいM天体も写るわけです。

もっと言うと、天の川がほんのり写せる程度の“普通の”カメラでも、(青空と太陽直接光さえ遮断できれば)コロナが写せるということ。そりゃそうだ、皆既日食ではみなさん普通のカメラで綺麗なコロナを写してますもんね。日食以外の日でもアマチュアが地上からコロナ観測できる様なカメラ(コロナグラフ)、どなたか作ってくれませんか?(※以前に設計だけならやったことあるのですが熱対策などが困難で製作に至りませんでした。)

木星の四大衛星も写ってるのでは?と思いますが、写野半径が8°もある割にピクセル数が少なく、衛星まで分離できる解像度は無さそうです。もちろん画像を見て分かる様に、明るい木星から伸びるブルーミング&スミアも衛星たちを隠す要因です。もともと星を写すためのカメラではないから仕方ないことでしょう。木星は天の川と共に来年1月6日頃にかけて写野を右端まで横切ってゆく予定です。そのとき入れ替わって土星が写野内に入るようで、一時的にツーショットになるかも知れません。

余談ですが、太陽は今日18日現在「へびつかい座」にあって、明日いて座へ移ります。へびつかい座は黄道12星座に無いけれど黄道が横切っている「幻の13番目の黄道宮」などと言われます。太陽がへびつかい座を横切るのに約18日間を要しますが、その直前にさそり座を横切るのはわずか一週間程度。黄道に沿って星図を眺めるとすぐ分かるように、黄道12星座が黄道を均等に12分割しているわけではありません。もちろん私たちの運勢が12等分されてるなんてこともないのです。

コメント

トラックバック