月面Kがとても良く見えました2019/11/16

20191116_21645月
昨夕から今朝にかけて素晴らしい天気に恵まれました。月面Kが見える日として詳細な観察を予定していたのでラッキーです。(→文字地形が見える日時などはアーカイブ「月面の観察」参照。右サイドメニューにもあります。

まず全体像。左の画像は日付が16日に変わったころの撮影で、太陽黄経差は約216.45°、撮影高度は約62.7°、月齢18.48。欠け際にまだ「K」の形が見えていますから探してください。

現在知られている文字地形の中で最大級の月面Kですが、詳しい日照を計算するのにどのような条件なら綺麗な形に見えるか、観察経験が不足していました。今回は月の出から南中までの間に最良の時間が予測できたので、夕方早々に機材をセット、待ち構えました。

月面K観察の前に、「オニール橋」が東日本で月出直後の18:30頃ごろ見える計算だったので、まずそちらを観察。とは言え、残念ながら我が家は住宅地。月出直後は見えません。隣家の屋根から月が見えたのは既に20時を過ぎていました。取りあえず撮影したのが下A画像。撮影高度14°で、もちろんシーイング最悪な状況ですが、跳ね上げ橋のような地形と、橋の下を通過したかに見える光が確認できました。次のチャンスは来年1月13日22時前後、そして3月13日1時台ごろと思われます。次こそ良い条件で見てみたいですね。

続いて休む暇なく月面Kに視野を切り替えました。K字形内に設定した計算基準点における太陽高度に従ってプラス1.4°からマイナス1.0°まで、0.2°ずつ太陽が低くなる度に撮影してゆきました。その中から0.4°ごとの画像を下B−H画像として掲載します。明暗境界の変化を詳しく知りたいので、やや露光オーバー気味に撮影しました。

20191115-2100月面K_sim
コンピューターグラフィックスによる事前のシミュレートでは、0.0°位までKの字に見えていますが、その後マイナス0.5°付近から急に影が目立ち始めるのです。あまりに急変化なので本当にそうなるのか疑わしかったけれど、実際に観察してみると同じようになりました。(参考:右は21:00のシミュレート例/下C画像に近い。)

下G画像は画像でK字に見えるのですが、眼視ではかなり暗く、途切れ途切れ。H画像でさえもレベル調整するとK字が浮き出てきます。明暗は画像処理で何とでもなってしまうので、下画像がそのまま眼視観察できると思ってはいけません。またプラス5°より明るいと周囲の地形も影になってないため、K字として分離しにくくなりますね。従って、Kの各線が途切れず、かつ周囲地形が十分暗いベストの条件は「太陽高度がプラス0.5°付近から0.0°付近まで」かなと判断しました。

途中で風が吹き出したりシーイングが乱れまくったりと、拡大撮影には不向きな空でした。それでも今年の中ではベストの条件でしたので、晴天に感謝感謝。

  • 20191115-200141オニール橋

    A.オニール橋
    (15日20:01:41)
  • 20191115-201702月面K

    B.月面K
    (15日20:17:02)
  • 20191115-211125月面K

    C.月面K
    (15日21:11:25)
  • 20191115-220550月面K

    D.月面K
    (15日22:05:50)


  • 20191115-230015月面K

    E.月面K
    (15日23:00:15)
  • 20191115-235439月面K

    F.月面K
    (15日23:54:39)
  • 20191116-004904月面K

    G.月面K
    (16日00:49:04)
  • 20191116-014327月面K

    H.月面K
    (16日01:43:27)


参考:
お天気悪いけど、今夜は十三夜(2019/10/11)…シミュレート記事
にせ月面K?(2019/09/20)

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