夜明けの空に痩身の月2019/10/26

20191026_32771月
台風通過の様な一日が過ぎました。雨は夜まで残りましたが、夜半頃にはお天気雨ならぬ「星空雨」となり、その後は次第に雲が少なくなりました。期待していたところ、明け方になって雲越しに冬の大三角が見えるようになり、昇ってきた細い月が雲から顔を出してくれたのです。大気の揺らぎが少し大きめでしたが、望遠鏡を向けてみました。

左は5時頃の撮影で、太陽黄経差は約327.71°、撮影高度が約21.1°、月齢27.07です。もう肉眼でも背景が薄明るくなっていましたが、少し暖かいのに冬の様な抜けの良い空。何とも不思議な感覚にとらわれました。細い月は大好物なのに条件良い空で観察できることは年に一回あるかないかのレア度。偶然にもこうして眺めることができて本当に幸せです。

南側欠け際がおかしなことになっていますが、ここには巨大クレーター「バイイ」が鎮座しています。クレーター壁が影になっているため、「二重の明暗境界」みたいな見え方になっていたのです。バイイは地球から見てほぼ月縁にあるため、はっきりお目にかかるチャンスが少ないクレーター。でも今朝は南極側が中央に寄る秤動だったため、目立っていたのですね。

20191026バイイ周辺
それどころか、バイイよりも裏側にあって見辛いハウゼンやピングレー、シャップといった激レアクレーターまで確認できたのは驚きです(右画像/左上画像から等倍切り出し)。いっぽう北のカスプも離れた所がポツンと光っていますが、これはピタゴラス・クレーターの北壁。ピタゴラスそのものはほぼ影の中でした。

月が痩身のころは、普段全く姿を現さない外周近くの小クレーターまで影が強調されて面白いですね。明けゆく空のもと、しばし幸せなひとときでした。なお明け方にまわっているはずの火星が月の真下・超低空にいたはずですが、庭先からは見えませんでした。

今日の太陽と昨日の豪雨2019/10/26

20191026太陽
昨日は台風のような天気でしたが(後述)、今日明け方からよく晴れています。束の間の晴れ間ですが、とても暖かくて春のようです。

20191026太陽リム
左は10:10頃の太陽。活動領域はありません。右上に長細いプロミネンスが見えましたが、これ以外に目立つものは無いようです。大気の揺らぎが大きいためか、シャープに撮像できない日々となってきました。

昨日25日の天気を振り返っておきます。千葉から茨城を経て東北に至る領域でビックリするほど雨が降り、台風15号・19号に追い打ちをかける結果となりました。天気図上は前線を伴わない小さな低気圧が通過しただけなのですが、まるで台風が通過したかの様相でした。そもそも台風とは「風に対する定義」のみなので、大雨が降るかどうかは関知しません。実際、夕方まで強い風が吹きましたが台風ほどではありませんでした。

当地・茨城県南では明け方前から雨が降りだし、朝にはもう本降りでした。午前中から大雨・洪水警報が何度も防災放送で流れ、午後は竜巻注意情報も加わりました。放送回数は19号時より多かったほどです。気象庁サイトからの引用で降水ナウキャストの画像を9:00から2時間おき、26日0:00まで下に掲載しました。強い雨の領域が長時間に渡って同じ地域へ雨をもたらした様子が分かるでしょう。 くさび型の降雨帯が見て取れ、2015年9月・鬼怒川氾濫時の降り方を思い起こさせます。

我が家から近いアメダス龍ヶ崎ポイントでは25日の日降水量が173.5mmにのぼり、10月記録の歴代3位、通年記録でも歴代7位の量でした。同ポイントで100mm前後だった台風15号・19号時よりはるかに多いです。10分降水量および1時間降水量でも10月記録歴代4位でしたから、『短時間で記録に残る様な雨が長時間でも記録になるほど降った』ということ。比較的短時間で止むゲリラ豪雨とも違い、極めて危険な降り方です。我が家周囲の排水溝も異常な水位でした。たかが低気圧と侮ってはいけませんね。

  • 20191025-0900降雨レーダー

    25日9:00
  • 20191025-1200降雨レーダー

    25日12:00
  • 20191025-1500降雨レーダー

    25日15:00


  • 20191025-1800降雨レーダー

    25日18:00
  • 20191025-2100降雨レーダー

    25日21:00
  • 20191026-0000降雨レーダー

    26日0:00


鮮やかな環天頂アーク現る2019/10/26

20191026環天頂アーク
夕方の雲行きを確認しようと15時前にベランダへ出ると、真っ先に目に飛び込んできたのが環天頂アーク。見ている内に明るく色鮮やかになって、ちょうど良いタイミングだったとほくそ笑みました。うまい具合に飛行機が横切ったシーンをパシャリ(左画像)。

多くの場合、幻日が先に見えて、それから環天頂アークなどを探すパターンなのですが、今日は逆転しました。西側にやや厚めの雲が張り出していたからです。よくよく目を凝らすと、下層の雲に隠されそうな小さい幻日を発見(下A画像)。とても淡くて、かなり慣れてないと見えないものでした。なお左側の幻日は全く見えませんでした。

太陽周囲も色付いている様なので、なるべく白飛びさせない様に撮影し、破綻しない程度に色彩強調させたのが下B画像。手前の雲越しに光環が見えていますね。また、手前の雲の隙間から太陽下方へ薄明光線がたくさんのびていました。天気はやや下り坂のようです。

  • 20191026幻日

    A.幻日(右側のみ)
  • 20191026光環

    B.光環