新たな台風のたまごが日本へ向かってます ― 2019/10/19
昨夜は紀伊半島、今朝は房総半島が大雨に襲われました。台風19号被災地を含む多くの地で、またしても土砂災害の危険が高まっています。沖縄の南にある台風20号も転進し、今後は沖縄本島、奄美、大東島などに接近しながら九州や四国沿岸、ひょっとしたら東海または関東まで近づく恐れもあるようです。(まもなく暴風域が発生する見込み。)
そしてまた本日9:00、ミクロネシア付近にあった熱帯低気圧が「台風になるかも知れない」との発表が気象庁からありました。 (【23:00追記】この熱底は台風21号になりました→関連記事)
左は本日9:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点線円は台風20号中心の、オレンジ点線円は熱帯低気圧中心の、それぞれ直径1000km円を表しています。本州付近は前線に伴う雨雲に広く覆われていますね。
熱帯低気圧の行き先について気象庁からは短期予報しか出ていませんが、アメリカ海軍・JTWC(Joint Tyhoon Warning Center)によると、発達しながらほぼ台風19号に似たコースを辿っています(右図参照/台風19号経路を重ねてあります)。気圧配置が異なるので、経路が似てるからと言って上陸するとは限りませんが、一週間後あたりに日本へ接近または上陸する恐れがあるかも知れません。他の気象モデルでも同様で、小笠原諸島付近あたりへ到達するのは間違いないようです。
まだまだ予断を許さない台風動向。日中の気温も低下してきましたから、みなさん十分に対策を講じてくださいね。
【付記】
夏場の渇水時によく話題となる関東の水がめ「利根8ダム」を、台風19号以降ずっと追っていました。今年の8ダムは年始から春先にかけて水(=冬に積もった雪)が少なくて心配でしたが、梅雨以降は多雨のおかげで制限容量いっぱいをキープしていました。夏期制限が終わり、10月半ばに台風19号が通過すると、今度は満水が心配になる事態に。
左は国土交通省関東地方整備局が公開している8ダム容量のグラフですが、台風通過時から急増しているのが分かります。約5日間増加を続け、8ダム合計で満水の約95%までいきましたが、昨日ようやく止まったようです。今後も雨は降るでしょうし、まもなく雪もちらつき始めるでしょう。放水しなければ、かつてないほど高い水位のまま来春を迎えそうです。