嵐の前の静かな彗星たち2019/10/10

20191010レモン彗星(C/2018DO4)
放射冷却なのか、昨夕から今朝にかけて急激に冷え込んで、ここ数日と比べて4度も低くなりました。台風19号の北側にできた晴れ間のおかげです。わずかな雲があるものの、透明度の高い夜になりました。月がありましたが、月没後の数時間に暗い彗星たちを捉えてみました。

まず、小惑星として発見されながら彗星活動が観測され、現在は「レモン彗星(C/2018 DO4)」として名を変えた天体です。今朝方はおうし座にあるダブル散開星団NGC1807とNGC1817の間を通過中だったため、全部まとめて1枚に収めてみました(左画像)。

星が何となく集まっている部分のうち、彗星の左上がNGC1817、彗星の右がNGC1807。彗星自体は16等と暗めなのがちょっと残念。息を止めて観ないと吹き飛んでしまいそう…そんな印象を持つ星々や彗星で飾られた、とても美しい空間ですね。

20191010ボリソフ彗星(2I/Borisov)
続いて、恒星間彗星として有名になったボリソフ彗星(2I/Borisov)。彗星の少し右に見える横長の小銀河はPGC27710。ボリソフ彗星も16等台に入ったと思われ、良く写る様になってきました。

台風が迫っており、また満月期にも入りますので、少なくとも一週間ほどは微光天体観察はお休み。11日夜の「アフリカーノ彗星(C/2018 W2)とらせん状星雲の大接近」も楽しみでしたが、多分雨が強まっている頃でしょう。月末頃にまた色々見歩きたいと思います。

今日の太陽2019/10/10

20191010太陽
今日は旧・東京オリンピック開会式の日。そして、旧・体育の日。朝からよく晴れていますが、夜遅くには強く雨が降る予報。昼の空を見る限りそんな気配は微塵も感じません。天気予報など全く無かった昔の人はさぞ驚いたでしょうね。

20191010太陽リム
左は9:15頃の太陽。活動領域12749は右リムに接近しつつあります。右上に波平さん的プロミネンスが出ていますが、他はあまり目立ちません。静穏な太陽面です。

嵐のせいか、はたまた空気が少し乾燥してきたせいか、細かい大気の揺らぎが目立ちました。光球を横切るトンボもいつになく少ないです。これが虫の知らせというものかな?

※ちなみに2020年以降、「体育の日」は完全に無くなります。「スポーツの日」になってしまいます。