さそり座に新星候補天体、日本人5人が発見2019/09/17

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夏が過ぎ、宵空早々西へ傾くさそり座に新星候補天体が発見されました。発見は15日の夜ですが、なんと5人もの日本の方々が1時間も差の無い撮影画像から立て続けに独立発見したとのことです。IAUに報告が載っている順に、山形県の板垣公一さん、群馬県の小嶋正さん、静岡県の西村栄男さん、愛知県の山本稔さん、三重県の中村祐二さん。いずれもアマチュア天体捜索のベテランですね。

昨日の当地・茨城県南部は朝から夕方近くまで曇りや雨が続いていましたが、日没頃から急速に晴れ上がりました。新天体確認にこのチャンスを逃す手はありません。ただ、対象天体は南西に低く、我が家の立地では望遠鏡設置が困難。無理矢理設置しても建物が邪魔で北極星が見えません。時間をかけてアラインメントする余裕も無いし、あまりにも水平方向のため「ノゾキじゃないか?」という世間の目も気になるので、大きな機材は諦めました。代わりに望遠レンズ+カメラのみを小型赤道儀に載せ、ベランダから短時間露光で狙ってみました。極軸が合ってないので段々ずれてしまう「ちりめん背景」ですが、光害などを軽減し最終的な仕上げたのが左上画像です。撮影後1時間でまたすっかり曇ってしまいました。

光害がタップリある方向なのでいろいろ酷い状態でしたが、目的の新星候補天体はしっかり写ってくれたようです。天体位置はさそりの毒針付近で、宮沢賢治さん作「双子の星」のモデルではないかと定説のあるλ星&υ星や、散開星団M7の近くです。天体は11等程度ですから、ある程度小さい光学系でも丁寧に撮影すれば十分写るでしょう。発見者のみなさんも135mmから200mm+フルサイズ程度の機材で見つけています。星座が分かればフレーミングは簡単。可能ならぜひ写してみましょう。(※光害のないところで撮影したら、本来は銀河中心の星々がビッシリ写るエリアです。→参考:4月16日記事「銀河系の中心を観る」

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