二彗星が大接近、板垣さんの新たな発見天体も2019/09/07

20190907_二彗星の大接近
台風15号の関東通過が確実視され始めた昨夜、冬の様に晴れ上がった星空が現れました。まさに嵐の前のなんとやら。こんな時期にはくちょう座からペルセウス座にかけての淡い天の川が確認できたのは、私の住む街では奇跡と言っていいくらいの出来事です。

そんな折、ナイスタイミングでマクノート彗星(260P)とアサシン彗星(C/2018N2)が大接近していました。これを狙わない手はありません。7日夜が一番接近するのですが、天気の崩れが前倒しになる可能性も考えられるので、1日早く撮影してみました(左画像)。

ちょっときつめの構図ですが、私が扱える最長の直焦点で二彗星が対角に位置しています(※天の北は上方向ではなく、左へ20°ほど回転した方向です)。撮影時の両彗星離角は満月直径より若干広い37′。(※7日夜はこの三分の一まで接近!!)処理に時間がかかりましたが、恒星と両彗星を全て止めてコンポジットしました。おかげで周囲に散らばるたくさんの小銀河も見えます。光度違いの彗星ペアは何度か撮影経験があるけれど、こんなに明るさが揃った、しかも双方共ピークを迎えた状況での勢ぞろいは見たことがありません。なんと幸せなことでしょう。生きてて良かった…。(→追記:二彗星最接近日の7日夜-8日明け方も晴れました!

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話は変わりますが、9月2日、M31に新天体を発見した山形県の板垣公一さんが、今度は6日明け方に17.6等の超新星候補を発見したと星仲間の(の)さんが教えてくれました。我が家からは光害や障害物の多い方向でしたが、低空までよく晴れていたので位置情報に従って撮影してみました。

薄明時間の限界等級ですからダメ元で臨みました。オートガイド視野を電線が通過する度にガイドが乱れ、使えないコマも多数…。でも、なんとか写ってくれました(左画像)。発見から約24時間後の姿ですね。該当位置には名もなき極小銀河があるのですが、その銀河内の超新星かも知れないらしいです。(※銀河の光度は18.55等で、超新星候補天体のほうが明るい。)

それにしても、よくまあこんな低空で暗い天体を発見できたものです。立て続けの発見にもビックリですが、実際に撮影を追体験をするに付け、恐れ入ってしまいます。天気にも大いに助けられました。

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