最弱のレグルスは最強覇王になれるか ― 2019/08/22
少し前から太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラに、接近しつつある金星と火星に混じって、しし座の1等星レグルスが写っていました。左はSOHOサイトからの引用で、本日6:54UT(15:54JST)の画像。金星を頂点に、火星とレグルスが二等辺三角形を作っていました。
レグルス(コル・レオニス/獅子の心臓とも)は黄道にもっとも近い1等星、つまりは地球からの見かけが太陽に一番接近する、そして一番暗い1等星です。現在は太陽の北側をすり抜けてしまいますが、もう2万年くらい経つと太陽に“隠される”様になるでしょう。ただし、確かめようがありませんけれど。
黄道に近いと言うことは、惑星たちもレグルスに度々接近することになります。まさに左画像のように、明るい惑星が側に並ぶケースは幾度となく目撃されてきました。Wikipediaにも書いてありますが、1959年7月には極めて稀な「金星によるレグルス掩蔽」が起こりました。将来は2044年10月にも起こるようです。星図ソフトをお持ちの方は、これらの様子をシミュレートしてみてください。実に面白い光景ですよ。最暗と言われながらもこれだけ幸運な位置にある王様の星なのです。
でも、私の様に「さすがに、あと25年も生きられないなぁ…」そうお嘆きの方も多いのでは?ピッタリ隠さなくて良いから、「ものすごく近い」と感じる日は無いのでしょうか?自前でプログラミングして計算すると、なんと!早速2020年10月3日明け方に見えることが分かりました。これなら25年間長生きせずとも大丈夫。
右はStellariumによるシミュレートで、2020年当日の航海薄明時(茨城県で4:40頃)の様子。東に昇ってきたレグルスが、全天で最大の明るさを誇る星になってしまった!!そう勘違いできる様な楽しい光景ですね。
このときの金星とレグルスの離角は約12′角。満月の半径より近いんです。右上画像左端に見える北斗七星のミザールとアルコルの離角程度ですから、これが分離しない様な短焦点広角レンズで撮影するか、適切なデフューズフィルターを使えば、まさに「豪華な王」として上書きされた立派な獅子の姿になるでしょう。もう「最弱最暗の王」なんて言わせない!(一瞬で化けの皮が剥がれちゃうけどね…。)
最小離角は当日8時過ぎで、約5′角。朝になっても赤道儀で追尾し続ければ青空の中で超接近する様子を観察できるでしょう。このほか、2028年10月3日明け方、2036年10月2日明け方なども離角は小さく、2044年10月2日の掩蔽へと続きます(左表参照)。計算して初めて知ったのですが、両天体の接近は9月下旬や10月頭に集中するのですね。必ず晴れるとは限りませんが、向こう10年くらいに起こる面白現象カレンダーにメモしておいてくださいませ。
レグルス(コル・レオニス/獅子の心臓とも)は黄道にもっとも近い1等星、つまりは地球からの見かけが太陽に一番接近する、そして一番暗い1等星です。現在は太陽の北側をすり抜けてしまいますが、もう2万年くらい経つと太陽に“隠される”様になるでしょう。ただし、確かめようがありませんけれど。
黄道に近いと言うことは、惑星たちもレグルスに度々接近することになります。まさに左画像のように、明るい惑星が側に並ぶケースは幾度となく目撃されてきました。Wikipediaにも書いてありますが、1959年7月には極めて稀な「金星によるレグルス掩蔽」が起こりました。将来は2044年10月にも起こるようです。星図ソフトをお持ちの方は、これらの様子をシミュレートしてみてください。実に面白い光景ですよ。最暗と言われながらもこれだけ幸運な位置にある王様の星なのです。
でも、私の様に「さすがに、あと25年も生きられないなぁ…」そうお嘆きの方も多いのでは?ピッタリ隠さなくて良いから、「ものすごく近い」と感じる日は無いのでしょうか?自前でプログラミングして計算すると、なんと!早速2020年10月3日明け方に見えることが分かりました。これなら25年間長生きせずとも大丈夫。
右はStellariumによるシミュレートで、2020年当日の航海薄明時(茨城県で4:40頃)の様子。東に昇ってきたレグルスが、全天で最大の明るさを誇る星になってしまった!!そう勘違いできる様な楽しい光景ですね。
【レグルスと金星が大接近する日】
日時(JST) | 離角(分角) |
---|---|
2020年10月3日 8:19 | 5.09 |
2025年9月20日 1:02 | 28.73 |
2028年10月2日 23:55 | 3.30 |
2033年9月19日 14:44 | 29.30 |
2036年10月2日 15:41 | 1.64 |
2041年9月19日 4:26 | 30.16 |
2044年10月2日 7:06 | 0.13 ※金星視直径未満 |
2049年9月18日 17:53 | 30.75 |
- 自作プログラムによる概算値です。
- 2020年から2050年の間に離角が40分角以内になるケースを探しました。
- 全部網羅できているかは保証できませんのであしからず。
最小離角は当日8時過ぎで、約5′角。朝になっても赤道儀で追尾し続ければ青空の中で超接近する様子を観察できるでしょう。このほか、2028年10月3日明け方、2036年10月2日明け方なども離角は小さく、2044年10月2日の掩蔽へと続きます(左表参照)。計算して初めて知ったのですが、両天体の接近は9月下旬や10月頭に集中するのですね。必ず晴れるとは限りませんが、向こう10年くらいに起こる面白現象カレンダーにメモしておいてくださいませ。