満月前の月を観察2019/08/15

20190814_16927月
昨夜から今朝にかけ、猛烈な湿気で透明度が悪くなりました。ときおり台風の影響と思われる雲が通り過ぎるものの、意外にも晴れ間が持ちました。空を煌々と照らす月が輝いていたので、望遠鏡を向けてみました。

左は14日22時頃の撮影で、太陽黄経差169.27°、撮影高度は約32.5°、月齢13.41、満月の約23.5時間前です。見るからに大気状態が悪く、星が瞬いていました。クレーターの形がひっきりなしに変化しましたが、通常の倍の枚数コンポジットすることで何とか仕上げました。

昨夕は月面Aデーでしたが、計算上は昼間に出現してしまったため、左画像ではすっかり明るくなっています。しかも秤動によって月面中央経度がプラス側に3.5°という大きい値を取っていたため、西端近くの地形はことごとく潰れて見辛くなってしまいました。その代わりフンボルト海などが良く見えています。

20190814月・嵐の大洋
拡大撮影できる空ではなかったので、月面A付近からケプラー・クレーターにかけての嵐の大洋付近を、左上画像から原寸大トリミングして右に掲載しました。ミヤモリ谷もすっかり明るいです。

画像中の?の位置にミヤモリ谷そっくりの地形を見つけました。カヴァレリウス Bから奥のへディン北寄りに向かっているようですが、地形名特定ができませんでした。好シーイングの時観察してみたいですね。でも台風の影響が強まっており、遠く離れた関東でさえ数日間は安定した空が望めないようです。

参考:
アーカイブ:月の形(黄経差144度以上、180度未満)

今日の太陽と接近する彗星2019/08/15

20190815太陽
台風の影響で今日は一日曇りか雨…そう思っていましたが、青空が広がる時間も案外ありました。といっても、頭上が青空なのにどこからか雨が落ちてくるお天気雨状態がしばしば。風も強く吹きます。

20190815太陽リム
左は12:15過ぎの太陽。お天気雨とお天気雨との短い合間にササッと撮影しました。苦労して撮影した割には何もない太陽面。まぁ何もないという確認も大事です。とても淡いけれど、右上リムにループしているプロミネンスがふたつ、あるような、ないような…。

20190815-0306UT-LASCO-C3
ところで、太陽観測衛星SOHOのLASCO-C3カメラに彗星状天体が写っている事に気がつきました。右はSOHOサイトからの引用で、本日3:06UT(12:06JST)の画像。前後の画像も確認し、ノイズなどではなく、急激に明るくなりつつ太陽に接近していることも分かりました。

Sungrazer Projectのサイトによると既知の(?)クロイツ群の彗星らしいですね。既に火星の明るさに匹敵しつつあり、右下に向かう尾も見えているようです。1日内外で…ひょっとしたら半日も経たずに大化けするのでは?と思うのですが…さて。

【追記】
クロイツ群彗星らしき天体の「その後の様子」を適当な間隔で追加引用しておきます。11:30UT頃からC2カメラ写野にも入ってきました。彗星が写っていた範囲をgifアニメにしましたのでクリックしてご覧ください。(※やや容量が大きいのでご注意!)

  • 20190815-0706UT-LASCO-C3

    8月15日7:06UT
    (LASCO0-C3)
  • 20190815-1006UT-LASCO-C3

    8月15日10:06UT
    (LASCO0-C3)
  • 20190815-1118UT-LASCO-C3

    8月15日11:18UT
    (LASCO0-C3)
  • 20190815-1400UT-SOHO_ani

    LASCO0-C2の
    アニメーション