貴重な旧暦七夕に銀河を仰ぐ2019/08/08

20190808マクノート彗星(260P)
昨夜は旧暦七夕(伝統的七夕)。夕方はそれなりに晴れていたものの薄雲が広がっており月も朧でした。夜半前はそこそこ星を辿ることができましたが、夜半過ぎから明け方は空の7割が雲に覆われてしまいました。何か観察しようと思い機材を出しておきましたが、思うようにいきません。気温が28度以上あり、この夏で一、二を争う高さでした。(7日のアメダス記録によると、当地・茨城県の大子ポイントが日本で一番暑かったようです。)

南天の一部が少しだけ雲間が広かったので、ダメ元でマクノート彗星(260P)を撮ってみました(左画像)。度々雲の通過があって星像が乱れていますが、彗星の尾がよく発達していることが分かるでしょう。このところ急激に成長しているようで楽しみです。でもなかなか晴れません…。撮影後は空のほとんどが薄雲に覆われてしまいました。

20190807夏の大三角
夜半前の晴れていた時間には夏の大三角にもカメラを向けました。肉眼では天の川が全く見えず、光害でまっ白です。街灯の直接光も降りそそいでいる環境ですから仕方ありませんが、画像を仕上げてみたら微かに銀河の流れが分かりました(右画像/左方向が天の北)。はくちょう座が作る相合い傘もうまく写っています。

月遅れの七夕(8月7日)が旧暦七夕と重なったのは2008年以来。計算上はなかなか実現しないことで、次のチャンスはなんと2038年まで待たされるようです。貴重な七夕を星に包まれながらお祝いすることができました。

今日の太陽2019/08/08

20190808太陽
立秋を迎えました。朝から晴れていますが、夜に続いて少し雲が多めです。昼前頃から青空が多くなってきましたが、やや強い熱風が吹くようになりました。

20190808太陽リム
左は13:10過ぎの太陽。活動領域12746と12747はまだあるようですが、NOAAなどの可視光画像でも黒点が分かりません。赤道左寄りに極小のフレアのような明るい部分が見えました。

暦の上で秋になっても、地上はまだまだ暑いですね。16時現在の真夏日地点数は698、猛暑日地点数は198。今日も東北から関東にかけて観測史上1位の日最高気温更新が出ています。

月面文字地形が勢ぞろいしました2019/08/08

20190808月面文字地形
本日は月面文字地形が勢ぞろいする日。月面Xはもちろん、月面LOVEの四文字も一緒に現れるのです。(※月縁近くの月面Aは別ですよ。)一緒…とは言ってもXやLOVEの四文字が現れるタイミングはバラバラで、その時刻を予測する検証の真っ最中ながらも、概ね事前予報に添って出現してくれるようです。

今日はOVXELの順で夕方16:40頃までに出そろう予定でした。ところが当地・茨城県南部は巻雲が空全体を覆い、月がどこにあるかも分かりません。やっと見えてきたのは18時を過ぎたころ。日没前なのでまだ明るいけれど望遠鏡を月に向けます。でも雲がなかなか取れずコントラストが悪いままで、結局30分以上待たされました。

左は日没1分後の撮影です。背景は明るい青空ですが、画像処理で軽減しています。また月面全景は画像上下を月の自転軸方向に合わせてあります。

各文字地形は緑矩形の所にありますから確認してみてください。雲が頻繁に湧いたり強い風が吹いたりして大気の揺らぎが最悪に近く、また月赤緯が低い時期のため像が悪いです、ごめんなさい。でもなかなか綺麗に見えないEやLの形がハッキリ分かったので、とても良い思いをしました。スミス海や縁の海もはっきり確認できますね。みなさんのところでは月の観察ができましたか?

なお月面撮影直前に北西を覆っていた金床雲から反薄明光線が伸び、空を明瞭に分割していました(下A・B画像)。低空上下の明るさや色調が全く違っているのが分かるでしょう。A画像上側に南中前の月が光っています。一見して雲がないように見えますが、反薄明光線の中なので太陽光が当たらず、薄雲が目立たないだけです。

  • 20190808反薄明光線

    A.南の空
  • 20190808反薄明光線

    B.西の空


参考:
アーカイブ:月面の観察