小惑星「1999KW4」の観察・三度目の正直2019/06/04

20190603小惑星66391(1999KW4)
昨夕は雲が残ったものの、その後ゆっくり回復し、今朝にかけて概ね晴れてくれました。透明度は悪かったですが地球近傍小惑星「1999KW4」観察のチャンスと、薄暮のうちに機材を組み立てて待ちました。

なかなか薄雲が取れませんが、いままでのチャレンジのなかではいちばん星が良く見えています。狙いを定めて撮影開始。5月27日の撮影、および5月30日の撮影は雲が多いことを見越した「短時間多枚数撮影による小惑星基準コンポジット(※小惑星は点像、恒星は線像)」でないと小惑星は像として取り出せませんでした。

でも今回はカメラのモニターでも移動する小惑星像が確認できたので、思い切って2分露出の恒星基準コンポジット(※恒星は点像、小惑星は線像)を試すことができました(左上画像)。しし座からおとめ座の境界を移動しており、周囲にいくつもの小銀河が確認できます。(※恒星基準コンポジットだと暗い天体まで確認できるのです。ここ、重要!)小惑星は当初よりかなり暗くなり、途中の雲通過で2コマほどガイドが乱れたけれど、三度目の観察で初めて動く軌跡として捉えることができました。

20190603_LBV in NGC4559
晴れ間が持続していたので、続けて山形県の板垣公一さんが6月1日夜に発見した天体に望遠鏡を向けました。この天体はかみのけ座の系外銀河NGC4559にあり、新しい超新星…ではなく、これまで何度も不定期に増減光していた同一のLBV天体(Luminous Blue Variable)と思われます。

今回の増光は16.7等とのことでしたが、発見からまだ二日しか経っていないのにもう18等程度まで落ち込んでいました。右画像では恒星像として認識できる限界ギリギリですね。ちなみに板垣さんは今年1月16日明け方にもこのLBVの増光を捉えています。今年に入ってから18等より明るくなったのは5度目です。

コメント

トラックバック