次のうるう秒調整はいつ頃かな?2019/03/31

1日の長さ変化
年度末だから…という訳ではありませんが、世界時のずれが現状でどうなっているか気になったので調べてみました。なお、少なくとも2019年7月1日までの「うるう秒挿入」がないことは確定しています(→日本標準時グループのサイト参照)。

左はIERS(International Earth rotation and Reference systems Service/国際地球回転・基準系事業)が公開しているデータを元に、2010年初めから今年2月初めまでのLOD(Length of Day)を描いたグラフ。(※このLODは一日の長さそのものではなく「24時間=86400秒に対する地球自転1回に要した時間の差分」という意味で使っています。)青線は日々の観測値、赤線は前後15日の値から求めた移動平均値です。

前回のうるう秒挿入は2017年初めでしたが、それ以降を見ると地球自転のずれが減少傾向にあることが分かります。2018年6月下旬から8月下旬にかけて、「マイナス」つまり自転が24時間より少なかった日が合計30日もあったほど。薄目を開けてざっくり2017年以降の平均を取ると0.5ミリ秒/日と言ったところでしょうか。1日のずれはミリ秒というオーダーなので微々たるものですが、1000日、2000日と積もり積もれば場合によって1秒に届いてしまいますから、大ごとです。

LOD増減加算と世界時のずれ
では、塵も積もれば…どれくらいになるか計算したのが右図です。青線は前回のうるう秒挿入時を原点とし、日々のずれを加算したもの。また緑線は(簡単に言うと)私たちが使う時計(協定世界時≒原子時計)に対して、自然の観測から求まる時計がどれくらいの差かを示したもの。青線が右上がりであれば、そのぶん「自然の時計」は日々遅れていくことになり、結果として緑線は右下がりになります。

一歩の幅は完全に一緒だけれど、一定のペースで進むロボットと不安定な人間の歩みとを比べたとき、同じ距離を進んだ歩数を比べているようなことでしょうか。

現在の取り決めではこの差がプラスマイナス900ミリ秒(0.9秒)内に収まるよう「うるう秒調整」することになっているのですが、これまでの調整実績は「おおよそマイナス400ミリ秒からマイナス600ミリ秒程度に下がったらうるう秒を1秒追加してプラスに転じる」ようにしているようです。緑線は2018年11月21日ごろマイナスに転じ、今のペースなら1年後にはマイナス400ミリ秒を下回るでしょう。2020年にうるう秒挿入があるかどうかは現段階で未定だけれど、改元やら時刻調整やらオリンピックやら立て続けになって、システムエンジニアさんたちが悲鳴を上げる事態にならないと良いのですが…。(夏時間導入にならなかっただけ少しマシですけれど…。)

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今日の太陽2019/03/31

20190331太陽
二日ほど天気が悪く気温も低い状態でした。昨夜から今日昼過ぎにかけても当地・茨城県内ではところによって雨が降っている状況。でも13時台から少しずつ日が差し始め、1時間ほどしたら青空が広がりました。

20190331太陽リム
左は14:10過ぎの太陽。大気の揺らぎが大きく、はっきり解像してない画像です。活動領域はありません。右上リムに小さなプロミネンスが見えたほか、あちこちにごく弱いプロミネンスが見えました。

自宅のすぐ近くでウグイスの声が響いています。当初予報されていた風もなく、うららかな花見日和です。