今日の太陽と花粉光環2019/03/05

20190305太陽
曇りや雨の天気が続き、三日ぶりの太陽観察となりました。とは言ってもあちこちに雲が湧き、全体的に薄雲も混じっている青空です。すっきり晴れているわけではありません。今夜から明後日にかけてまた天気が下り坂。

20190305太陽リム
左は10時過ぎの太陽。活動領域はありませんが、所々に模様の乱れが確認できます。プラージュと言えるほど明るくはないようです。プロミネンスが右上リムに見えました。足元を見るとまだ半分光球から出てないようで、衰えなければ明日にかけて全容が見えるでしょう。

20190305花粉光環
くすんだ空だったためスギ花粉の光環は見えないだろうと思ったら、大変濃く見えていました(右画像)。昨夜の雨上がりが早かったせいか、今日は朝から花粉が多くなったようです。スギの実が雨で湿っている内は花粉が飛ばないでしょう。

空にモヤが多いと、花粉が多い日でも光環は見えません。光の回折光が散乱して混じり合い、真っ白になってしまうからです。

千島列島から伸びる珍しいカルマン渦列2019/03/05

20190305カルマン渦列
左は本日3月5日9:00の気象衛星ひまわり画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。画像中央を見ていただくと、得撫島から南西にむかって「カルマン渦列」が伸びていますね。

この付近でカルマン渦列ができるのはそう珍しくないのですが、ほとんどの場合シベリアから南東や南南東へ向かう風に沿った列になります。今日とても目を引いたのは列の向きが珍しかったからです。画像右端やや下に低気圧の大きな渦があり、この外周に沿って段々中心へ向かう風の向きに渦列が並んだのが原因と考えられます。

衛星画像を調べたところ、朝の7時頃にはカルマン渦列の片鱗が確認でき、15時の時点でまだ存在していました。ただし低気圧が北東へ移動しているため、渦列が最も西へ向いたのは朝のうちで、その後ゆっくりと南向きに推移しました。

日本付近のメジャーなカルマン渦列発生地である済州島近海でも、昨年3月17日に西南西へ渦列が並んだときがあり、珍しい!と感動しました(→関連記事参照)。たまにこういうことが起きるので、衛星による地球観察は止められない面白さがあります。