LBVに望遠鏡を向けるも…2019/03/02

20190302_TCP J10524124+3640084 NGC3432
昨夜から今朝にかけて、雲が流れているもののいつもよりは晴れ間の多い夜でした。折しも新月期、チャンスは最大限に活かすべきですが、このところの体調不良と春霞の酷さが悩みどころ。

2月24日に山形の板垣公一さんが増光を発見した、NGC3432にあるSN2000ch(TCP J10524124+3640084)が天気の都合でずっと撮影できませんでした。だいぶ日が経ってしまいましたが、これをメインターゲットに考えつつ雲行きを見計らって撮影(左画像/白黒反転)。機材調整や新たな撮影ルーティーンのテストも兼ねています。フラット取得がうまく行かず斑がありますが、銀河自体はよく写ってくれました。

増光した天体は新規の超新星ではなく、これまでも平均1.5年に1回程度増光が確認されています。LBV(高光度青色変光星/Luminous Blue Variable)と考えられている天体だそうですが、今回の増光は17.9等で報告されており、自分の機材ではギリギリ。もう減光してると思われ、左上画像マーカー位置の天体がLBVなのかどうか怪しいところです。ただでさえこの時期はシャープに撮れないですからね。でもまぁ、この奇天烈な格好の銀河を撮影できただけでも良しとしましょう。

20190301岩本彗星(C/2018Y1)
日付変更前にはぎょしゃ座の星団や星雲を横切っている岩本彗星(C/2018Y1)も軽望遠で狙ってみました。夜半前は霞が酷く、3等星が見えるか見えないかといった空でした。赤道儀の調子も悪く、思うように撮影がはかどりません。どうにか画像に仕上げましたが(右)画質は最悪です。彗星をアップで撮ったほうが良かったかも知れませんね。

岩本彗星を撮っている頃は頻繁に雲が横切り、撮影中断の連続でした。でも明け方が近くなると次第に安定し、いつの間にか雲もなくなりました。

20190302月と土星
薄明が始まったころには、細くなった月と土星が南東低空に並んでいました(左画像)。追尾できる架台を用意できなかったので、三脚での固定撮影です。月の右上、いちばん明るい星が土星。月中心との離角は約1.3°でした。月周囲にオレンジ色の淡い光環が見えたのですが、モヤのせいではなく、花粉光環だったかも知れません。濃い日は細い月でも見えることがあります。

明日明け方は更に低くなった月と金星とが並びます。晴れれば見事な景色になるでしょう。ご覧になりたい方は、低空までよく開けた場所を探しておいてくださいね。花粉症の方は十分な対策もお忘れなく。

参考:
岩本彗星(C/2018Y1)に関係する記事(ブログ内)

コメント

トラックバック