雲間からの岩本彗星2019/02/25

20190224岩本彗星(C/2018Y1)
昨夜は早くから天気が崩れてくると思っていたら、意外にも夜半まで持ってくれました。前夜に撮影した岩本彗星(C/2018Y1)がかなり小さかったので、ふたまわり大きな望遠鏡で撮影してみることにしました。

準備に手間取り、月が登った頃から日付をまたいでの撮影です。ところが撮影開始直後から雲が流れ出してしまったのです。なんとか騙し騙し(?)1時間弱ほど撮影しましたが、何コマも雲の通過に遭いました。前夜より大きく撮影できたものの、雲によるかぶりノイズが酷いです。恒星軌跡も減光して途切れ途切れですね。

これからもっと遅く、そしてもっと小さくなるので、しっかり写すなら今後は大きな望遠鏡の使用対象になるかなと思われます。もうひとつくらい撮影したかったけれど、このあとは完全に曇ってしまいました…。撮影中からすでに県内の一部や隣県では雨が降り出していたようで、大気は雨の香りで充満していました。

なお、この画像は上方向が天の北方向です。彗星の移動はほぼ西方向になっているため恒星軌跡が横移動になっていますね。現在まだ極わずかに北へ向かっている岩本彗星の移動は、27日ごろ南向きに転じます。メトカーフコンポジットの恒星軌跡は少しずつ右下がりになるでしょう。

参考:
岩本彗星(C/2018Y1)に関係する記事(ブログ内)

台風2号が「猛烈な」クラスになってしまった2019/02/25


20190225-1500jst台風2号
台風2号がどれくらい弱まったか確認しようと衛星画像を見たところ、目があまりにクッキリしていて違和感を覚えました。すぐに気象庁のデータを確認すると、中心付近の最低気圧が915hPa、最大風速が55m/s(105ノット)というとんでもない値です。これは「猛烈な台風」クラスに相当します。2月23日の記事に書きましたが、過去最強の記録を再度塗り替えてしまいました。

左は15:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。お手本(?)のような台風の目で、目の中の渦まで確認できます。目の直径が引き締まっており、風が強いことが容易に理解できるでしょう。気象庁が公開している台風ベストトラックを見る限り、1月から4月まで範囲拡張して統計取っても、「猛烈な台風」になったのは2015年台風4号(3月28日発生、最大風速105ノット、最低気圧910hPa)と2018年台風3号(3月25日発生、最大風速105ノット、最低気圧915hPa)のふたつだけ。もちろん2月は1個もありません。

今後は海面温度が低いエリアへ移動する予報のため急速に弱まるとは思いますが、南西諸島へ遠巻きに接近するようですから、海への影響が出る可能性があります。今日の15:00時点で寿命(存在期間)が過去3番目に長い132時間に達し、あと2日半続いたらこの値もトップになります。たかが1個発生したからと言って驚くほどではないかも知れませんが、冬場にこれほどの規模の熱エネルギーが集まってしまうことを考えると、恐怖を感じざるを得ません。自分の代よりも、世界中で自然淘汰が発生してしまうであろう子ども世代や孫世代のことが心配です。

【参考:1月−4月に発生した猛烈な台風・1951-2018年調べ v.s. 2019年台風2号】
台風番号発生日時(JST)
消滅日時(JST)
寿命
(h)
猛烈な
風速期間
(105kt以上)
最大風速
(knot)
最低気圧
(hPa)
ACE値
(104knot2)
強風域
最大直径
(nm)
暴風域
最大直径
(nm)
移動距離
(km)
平均
移動速度
(km/h)
2015年台風4号2015年3月28日 3:00
2015年4月5日 15:00
2044210591021.69753301404238.9420.78
2018年台風3号2018年3月25日 15:00
2018年4月1日 9:00
1621210591510.44753001002401.2914.82
2019年台風2号2019年2月20日 3:00
2019年2月28日 15:00
2042710591523.15254801602959.0114.50

  • 気象庁ベストトラックを元に自作プログラムで集計しました。
  • 2019年2号の値は速報値に寄ります。後日気象庁が発表する確定値では若干変動する可能性がありますのでご注意。