カラカラ天気が多い今冬の日本2019/01/31

関東地方衛星画像比較
昨日からゆっくり下ってきたお天気。1月最後の今夜は関東平野で雪が降るかも知れないとの予報も耳にしました。ちょうど1年前の1月22日には大雪になり、各種交通機関が麻痺したことを思い出しました。

豪雪のニュースも流れていますが、他方、今年の冬は太平洋側を中心にカラカラ天気が続いています。富士山にあまり雪が積もってなかったり、大きな川が瀬切れを起こしたり、冬なのに節水が呼びかけられたり…。左画像は地球観測衛星TerraおよびAquaによる、去年と今年の関東比較。1月末頃の雲が少ない日を選びました。2018年1月のほうは前述した大雪がまだ残っている状態です。富士山の雪を比べると、確かに少ないですね。でも衛星画像を見ても乾いてるか湿ってるかは分かりませんので、降水がどんな状況なのか気象庁アメダスデータを使って久しぶりに統計を取ってみました。

1月1日を基準に、前60日から後30日の90日間を10日ごとに区切り、「平年値に比べて降水量は何%か」を全アメダスポイントでチェック、有効数値のある地点数が降水量平年比ごとにどれくらいの割合か調べました(下図)。1年前の同じ日付でも集計したので比較してください。また、全国まとめて集計したものの他、北海道のみ、関東のみ、それぞれのバージョンも作りました。(※冬統計は年をまたぐことが多いので、年区切りを寒候年…つまり前年8月頭開始・当年7月末終了にする習わしがあります。)

平年値との比較ですから、普通に考えれば中心付近(平年並み=平年比100%)の地点が多く存在するはずです。下図で言うと「2017年11月-2018年1月・関東」グラフの「2018年1月21日−1月30日」のように、緑や黄色のバーが拮抗しつつ大部分を占ることが標準であるはずなのに、そうなっていないところが多々ありますね。今期だけでなく、前期でも初冬までカラカラ天気でした。でもやはり顕著なのは2017年初冬や2018年12月下旬から今年にかけての関東です。降水量平年比49%以下の地点(青バー)が8割以上に及ぶのです。こうなると現実的に「単なる自然の揺らぎだよ」では済まなくなるでしょう。

この傾向、関東だけではありません。降水量平年比マップ(気象庁サイトから引用)について、1年前の同時期比較もしてみました(記事末図)。これも10日間区切りの統計です。下部ボタンで画像を切り替えられますから、みなさんの地方がどのような状況か観察してみてください。平年通りを期待していたのに大きくズレる気候。一次産業に深刻な被害が出たり、人間以外の動植物生態に影響を与え、巡り巡って人間自身も被害を被ります。「いつもの様に…」がいかに難しいことか…。

  • 2017-2018全国

    2017年11月-2018年1月・全国
  • 2018-2019全国

    2018年11月-2019年1月・全国


  • 2017-2018北海道

    2017年11月-2018年1月・北海道
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    2018年11月-2019年1月・北海道


  • 2017-2018関東

    2017年11月-2018年1月・関東
  • 2018-2019関東

    2018年11月-2019年1月・関東