岩本彗星が明るい!2019/01/29

20190129岩本彗星(C/2018Y1)
昨夜から今朝にかけて月明かりの影響が少なくなってきたため、強風の中がんばって岩本彗星に望遠鏡を向けました。撮影してびっくり!半月前からは想像もできないほど立派になっていました(左画像)。もう現在のウィルタネン周期彗星(46P)と肩を並べるほどです。

右は80分近くの露出ですが、移動の速さにも驚かされました。あまり考えずにフレーミングしましたが、随分中心から外れてしまうほどです。これから更に速くなるので設定を考え直さないといけません。

地球最接近は2月12・13日頃です。ちょうどしし座のレグルスの北側付近を通過しているころでしょう。記事下に3月1日までの簡単な星図(ステラナビゲーター使用/日付マーカーは全て0:00JSTの位置)を掲載しました。既に小型望遠鏡でも十分探し出せる明るさですから、ぜひ観察してください。

20190129_AT2019uo in UGC7020
この他、今朝方は18日UGC7020に発見された超新星候補AT2019uoも撮影(右画像)。発見以降3度撮影しましたが、だんだん明るくなっているようです。現在の光度は16等後半といったところ。

撮影開始の頃は風も弱まっていたので「いける!」と踏んだのですが、二天体撮影を終えた頃には風速8m/s近くになっていました。オートガイドも赤ランプ着きっぱなしでしたが、よくもまぁ余りブレずに撮影できたものです。機材には申し訳ない使い方ですけれどね。超新星よりもUGC7020の細い腕がうまく写ってくれたことに大満足。

  • 2019年・岩本彗星(C/2018Y1)星図1

    A.岩本彗星(1月から2月始め)
  • 2019年・岩本彗星(C/2018Y1)星図2

    B.岩本彗星(2月上旬)


  • 2019年・岩本彗星(C/2018Y1)星図3

    (a)C.岩本彗星(2月中旬)
  • 2019年・岩本彗星(C/2018Y1)星図4

    D.岩本彗星(2月下旬)


参考:
岩本彗星(C/2018Y1)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2019/01/29

20190129太陽
朝からよく晴れていますが、昨日から強まってきた風は今日も窓を叩きつけています。昼過ぎの時点で、当地・茨城県南部のアメダスは軒並み7m/sから10m/sの風を記録しています。

20190129太陽リム
左は11:50前の太陽。風の震動をうまく避ければ、大気は昨日より落ち着いているようでした。活動領域12733はもうすぐリムに届きそう。でも明るい領域が確認できるくらい活発のようです。昨日はうまく写らなかったプロミネンスも、特に右リム上下の活発な様子が分かりますね。

【メモ】
茨城県内の県北・県央でも強風に見舞われ、下記の「1月の1位」記録が出ました(1月29日17時現在の速報値)。

日最大風速
・茨城県北茨城市…13.2m/s(10:29)

日最大瞬間風速
・茨城県北茨城…22.2m/s(07:09)
・茨城県笠間…19.5m/s(13:31)



まっ白な北海道の様子2019/01/29

20190129Aqua/MODIS
今日の午前まで雲がかかっていた北海道も、正午になるとだいぶ日が差すようになりました。衛星画像を見ると、雪化粧でまっ白な北の大地が一望できます。左は地球観測衛星AquaのMODISカメラによる画像(NASA・WorldViewサイトから引用)。Aquaは本日12時過ぎに日本付近を通過したので、撮影時刻はその頃と思われます。

網走と紋別では昨日28日に海岸から流氷が観測され、「流氷初日」を迎えました。左画像でも雲とは違う白い物体が樺太から北海道北東側の海を覆っているのが分かるでしょう。去年暮れからの過去画像を見返すと流氷の出来始めは昨年より少し遅かったようですが、流氷初日は平年値とそう変わりませんね。間もなく接岸のニュースも聞こえてくるでしょう。パッと見たところ、流氷渦(流氷大回転)はまだできていないようです。

昨日から今日にかけて北海道を荒れた天気にしたのは南部を通過した低気圧のようですが、この低気圧に流れ込む北東の風によって、利尻島の風下に綺麗なカルマン渦列が見えています。なんと、積丹半島まで届いてますね。なかなかこの状況が生まれないので、済州島などのカルマン渦列よりもレアな現象です。最近では、昨年2018年6月9日の記事で紹介しています。

昨年大きな地震があった地方もまっ白。色々と大変なことも多いでしょうが、どうかがんばって春をお迎えください。