明け方の雲に邪魔されつつも新天体を観察2018/12/31

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昨夜から今朝もよく晴れましたが、夜半前は光害がいつもより酷く感じました。年末であることと関係があるか分かりませんが、何だか嫌な気持ちになります。ともかく、今回は彗星観察は諦めて、機器調整と試写に充てることにしました。

左画像は成果物のオリオン中央部の星雲。右下側にオリオン大星雲、左上に馬頭星雲や燃える木が写っています。昨年2017年11月22日の記事に掲載したものとほぼ同じ構図ですが、使った光害カットフィルターや撮影方法が少し違います。総露出時間は3時間余り。

ところで昨夕に星仲間の(の)さんから新天体が発見されたとの情報を頂いていたので、それも明け方に撮影予定でした。ところが左画像撮影終了後にフラットフレームを撮っていた頃から雲が湧き出しました。撮影予定の新天体「TCP J15472959-0532144」は金星近く、てんびん座の端にあって、明け方まで待ってもまだ低空です。住宅街と植樹や電線がひしめいている方向のため、周到に場所を決めて機材設置していたのですが、曇ってしまうのは予想外でした。予定時刻に撮影できなければ、その場所から人工物に邪魔され見えなくなってしまうのです。

20181231_TCP J15472959-0532144
そこで完全に曇ってしまえば諦めていたでしょうが、なんと西から晴れ間が広がり始めました。薄明間際でしたが、思い切って機材を一度バラして5メートルほど移動し、再度設置してすぐ撮影開始。軽装備ではなく重機材だったため、この一連の作業は本当に大変でした。ちなみに夜明けの気温はマイナス5度。さすがに辛い寒さでした。

でもがんばった甲斐あって、10分あまり露光することができました(右画像)。この13等程度の新天体は静岡の西村栄男さんが発見したとのことです。年末を飾る素晴らしい快挙ですね。

今日の太陽とハロ現象2018/12/31

20181231太陽
明け方から雲が出て、午前中はときおり太陽を隠すような空でした。各地での夜明けの気温が今季最低クラスだったようで、当地でもマイナス4.8度という滅多に見ない数値を記録しています。

20181231太陽リム
左は今年最後の太陽。11:40過ぎの観察です。淡い雲が空を覆っており、少しカブリ気味でした。活動領域はありません。いくらかプロミネンスが確認できますが、不鮮明ですね。また来年に期待しましょう。

20181231光環
観察を始める少し前には、右画像のような光環+彩雲が見えました。適切に減光すれば目でもはっきり見えます。

来年もたくさんの光が空に満ちあふれますように。