明け方に彗星をふたつ観察2018/07/21

20180721ジャコビニ・ツィナー彗星(21P)
昨夜から今朝もいつものように不安定なお天気。時々パアッと晴れるのでどっち付かずで気分がヤキモキ。彗星を撮るべく待機していましたが、結局撮影できたのは薄明前30分から薄明後まででした。彗星をふたつ撮影できましたが、風がやや強くガイドはブレブレ、気温も高くノイズだらけという有様です。

まず夜半過ぎに北天の天頂近くへやって来るジャコビニ・ツィナー周期彗星(21P)。(※ツィナーはチンナーとかジンナーなどと表記されることもあります。)今年明るくなることが期待されている彗星のひとつ。既に9等台に入ったのでは?と思うような立派な姿に成長していました。核だけでなく尾もちゃんと伸びていますね。このまま順調なら9月上旬には7等になるでしょう。日本からはとても条件が良く、暗くなり始める中秋まで夜中から明け方の空で観察可能です。(南が開けた場所なら冬以降もずっと見えます。)

20180721ネオワイズ彗星(C/2018N1)
お次は7月初旬に発見されたばかりのネオワイズ彗星(C/2018 N1)。実はこちらが本命でした。10等台と言うことでワクワクしながら撮影のチャンスをうかがっていましたが、天候に恵まれなかったり障害物や光害で邪魔されたり、なかなか写せませんでした。今回も薄明時間まで隣家の屋根で隠されており、仕方なく上のジャコビニ・ツィナー彗星を撮影しながら時間を調整した次第。

何夜目かの失敗をくり返した後、ようやく今朝撮影できました。どんどん南下してるため、もう数日後には南に低くなった我が家から見えなくなります。今月27日前後に地球へもっとも近くなるため、現在の動きはとても大きく、また視直径も凄まじく大きく写りました。光害と薄明で背景が明るいはずなのに、少なくとも6′のコマが分かります。

ふたつの彗星はどちらも2分間隔のメトカーフコンポジットですが、ネオワイズ彗星は速すぎて恒星が飛び飛びになってしまいました。数日内に撮影可能な方はカメラを向けてみてください。やっと…本当にやっと撮影できて、本当に良かった…。

南の大気がとても騒がしい2018/07/21


20180721-1500気象衛星
酷暑が続く日本列島ですが、追い打ちをかけるような事態となっています。

夕方に気象衛星画像を確認したところ、日本の南がシッチャカメッチャカになっていました。ご存じの通り沖縄付近に台風10号があって、今日無事通過したようです。ところがそのすぐ南西…台湾の南海上に熱帯低気圧が発生しており、すぐにでも台風になりそうな姿をしています。これについては今朝21日9時の段階で気象庁から発表があり、間もなく台風になるものと思います。

それだけではありません。Joint Typhoon Warning Center(JTWC)の情報などによると、ベトナム側に抜けて弱体化したはずの台風9号の残骸がなぜか東進し、海岸近くでふたたび熱帯低気圧になっていました。渦構造が見受けられ、台風としての息の根は止まってないと推察できます。またこれらと並ぶように、フィリピン東には「熱帯低気圧になる可能性が高い低気圧」がふたつも並んでおり、海水温を考えると次々に活発化しそうです。

左上画像は21日15:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点円は台風中心、オレンジ点円は熱帯低気圧中心の直径1000km円。(画像右下低気圧の東に、もうひとつ熱帯低気圧のたまごがあります。)状況は刻々と変化しますから、最新の情報入手を心掛けてくださいね。(※くれぐれも、最新情報入手に検索使っちゃダメですよ。)