台風9号の東に新たな台風の元が発生2018/07/18


20180718-0000気象衛星画像
台風9号が発生したばかりですが、これに並んでいた東西の熱帯低気圧のうち東側ものが「24時間程度内に台風になる可能性がある」と気象庁から発表されました。17日21時のことです。

左は発表から3時間後、18日0:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。夜間のため赤外白黒画像です。赤点円は台風9号中心、オレンジ点円は熱帯低気圧中心の、それぞれ直径1000km円。

熱帯低気圧のほうはゆっくり北上しつつあるそうで、日本への影響が心配されます。西日本の豪雨による被災地はまだ傷が癒えてないどころか、痛みが現在進行形なので、台風が来るとなれば大変なことです。

第24太陽周期の末期が来ている2018/07/18

太陽黒点数の推移(第14太陽周期以降)

黒点数の推移(第14周期以降)
その変化は静かに、ひっそりとやって来ました。

太陽が最後に黒点を伴う活動領域を見せてくれたのは6月の終わり頃です。以来、無黒点の日々が続きました。そして昨日の時点で連続20日となったのです。この記録は長期に渡る太陽研究で知られるSILSO(ベルギー王立天文台)、およびNOAA(アメリカ海洋大気庁)双方のデータで確認できました。(※ただし速報値です。)

20日という数値にあまり意味はありませんが、これくらい黒点が見えない日が続くと太陽活動は極めて低迷している目安だと考えています。現在の「第24太陽周期がいつ終わるか」ということは太陽を研究観察している方々にとってとても重要な関心事なのです。今期は詳細データが分かっている過去の周期と比較して、黒点数が最低レベルでした。ピークだけ比べても、いちばん大きかった第19太陽周期の半分程度です。これが具体的に何を意味するかは分かりませんが、とにかくこの周期も間もなく終わりそうです。

現在の太陽周期は約11年程度と知られています。これを前後2年ずつ削った「太陽周期間」を設定し、第1太陽周期間(約5年間)→第1太陽周期末(第2太陽周期の最初の2年を含む4年間)→第2太陽周期間→第2太陽周期末→…というふうに細分化した上で、それぞれの期間に「連続無黒点」が何件発生したか統計を取ってみました(下のA・B図)。無黒点日数を20日区切り毎に分け、件数を積み上げ棒グラフにしてあります。周期間では20日以上連続する件数がほとんどありませんが、周期末(周期頭含む)にはかなり多くなりますね。これが「20日連続=周期末の片鱗」になりうる根拠です。

SILSOのデータで集計した場合、前回20日連続を上回ったのは何と9年前の「2009年7月31日からの32日間」。これは第24太陽周期開始直後に発生した連続無黒点で、B図では第23太陽周期末・緑部分の1件です。またここ5年以内では「2017年3月6日からの15日間」が一番長いものでした。私の観察でも2017年3月20日まで半月ほど無黒点でした。今回は何日間まで伸びるでしょうか。正確な極小期は次の周期が明らかに始まらないと算出できませんが、今までの通りなら2、3年は黒点の少ない日々が続くでしょう。将来のアクティブな太陽に想いを馳せつつ、日々コツコツ観察したいと思います。

  • 太陽周期間の連続無黒点件数

    A.太陽周期間の連続無黒点件数
  • 太陽周期末期の連続無黒点件数

    B.太陽周期末の連続無黒点件数


  • 上のグラフの元データはSILSO(ベルギー王立天文台)のものを利用しています。元データは第6太陽周期中ごろから始まっているため、上の集計では第6太陽周期末から開始しています。
  • 太陽周期の境界はWikipedia(日本語版・本日時点のもの)を参考にしています。周期境界はWikipediaやNOAAなど公共的情報源でも差異があるため、注意しなくてはいけません。(→詳しくは参考記事をどうぞ。)
  • 第24太陽周期の末期は明確になっていませんので、上のグラフでは第24太陽周期最初の24ヶ月を第23太陽周期末に含め、それ以外は全て第24太陽周期間に分けました。(第24太陽周期末は設定していません。)


今日の太陽と気温上昇2018/07/18

20180718太陽
昨夜から今朝はいつものように曇り空。今朝からの気温上昇は尋常ではなく、自宅は早い段階で35度に達しました。案の定、全国的にも酷暑となりました。当地は昼頃まで積乱雲もどきがあちこち発達していましたが、午後はばらけてしまったようです。

20180718太陽リム
左は14時過ぎの太陽。今日も無黒点ですね。左リム赤道付近のプロミネンスは光球内に入ったようです。新規の活動領域は見当たりません。

最高気温の温度別回数
今日は久しぶりに「最高気温40度越え」を見ました。岐阜県の多治見と美濃の二ヶ所です。ランキング上位10位まで全て7月記録を更新、うち4ヶ所は観測史上1位となりました。

ランクの上のほうばかり見ていても仕方がありません。ランク外の地元やその周囲がどうなってるか知りたい方も多いでしょう。そこで、真夏日地点数が激増した7月9日から今日まで、一番高かった日最高気温が何回あったかを全アメダスポイント927地点でカウントし、地図にしました(右図)。25度以上の夏日、30度以上の真夏日、35度以上の猛暑日の三クラスに分け、このうち一番高いクラスの回数(日数)に応じて描き分けてあります。(註:18日のデータが揃った段階で地図を再度描き直しました。)

これを見ると集計した10日間に、約79%の地域で少なくとも真夏日を1回以上経験、約31%の地点で猛暑日を1回以上経験、そして5%の地域で6回以上の猛暑日を経験したことになりますね。この暑さは少なくとも月末近くまで続くそうですから、熱中症には十分ご注意を。また後日あらためて地図を描いてみようと思います。

2018年の台風10号が発生2018/07/18


20180718-2100台風10号
昨夜17日21日に台風になるかもと気象庁から広報のあった熱帯低気圧が、ちょうど24時間後の本日18日21時に台風10号「アンピル/AMPIL」となりました。直前の台風9号発生から1日と12時間後、9号はまだ健在ですので、現時点ではダブル台風となっています。

左は発生時刻である18日21:00の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。夜間のため赤外白黒画像です。赤点円は台風中心の直径1000km円。いまのところ強い渦巻きではないようですが、1日前に比べるとだいぶ巻いてきましたね。(※なおここには台風9号は写っていません。)

強い夏の高気圧のおかげか、台風が向かおうとする進路が曖昧で、現時点ではほぼ停滞しているようです。暖かい海の上で停滞していると強い台風へ成長する恐れがありますので、今後の進路に十分ご注意ください。

6月末に発生し7月頭に沖縄や九州などへ大雨をもたらした台風7号まで含めると、この7月は既に4つもの台風が活動したことになります。急に騒がしくなってきました…。