木星の衛星を幾つ写せるかな?「エララ編」2018/04/21

20180421木星と四大衛星
昨夜から今朝も透明度が良くありませんでしたが、貴重な晴れ間なので、2018年4月19日記事の続きとして木星の衛星撮影にチャレンジしました。今回のターゲットは「第7衛星エララ」です。

真夜中過ぎ、撮影に先だって木星を望遠鏡に導入してみると、四大衛星が揃って見えました(左画像)。この画像は多段階露光により、木星の白飛びを抑えています。こうして撮影してみるとイオがかなり赤いことや、ガニメデが大きいことがよく分かりますね。

さて、ターゲットのエララは計算上の光度が17.3等星。私の望遠鏡では写るか写らないかギリギリの線です。揺らぎの少ない真夏や透明度の良い冬ならともかく、春霞中の撮影は背景光やシンチレーションに埋もれてしまう恐れがありました。取りあえずやってみないと始まらないので露出1時間と決めて撮影開始。

当夜のエララは木星に対して北西に位置していました。下A図は今回の撮影範囲を示した星図(ステラナビゲーター使用)。二日前に撮影したヒマリアとは正反対側ですね。2分×30コマの撮影を衛星位置基準でコンポジットしたものが下B画像です。画像センターを外してしまいましたが、なんとかエララを捉えることができました。いやぁ、実に暗い!コンポジット前の画像ではノイズに埋もれて分かりませんでした。

  • 20180421エララ撮影範囲

    A.撮影範囲
  • 20180421エララ

    B.撮影結果


201804木星衛星位置
あらためてNASA-HORIZONSによる位置計算を元に木星に対する赤経差(天の東西差)をグラフにしたのが左図。対象は四大衛星のうち木星に一番近いイオと一番遠いカリスト、そして前回撮影のヒマリアと今回のエララです。またしても偶然ながら、エララは木星から一番離れた時期に差しかかっていました。おかげで木星の眩しい迷光が写り込まずに済みました。

残りの衛星のうち、現在の私の機材で撮影可能な光度になるものは「第5衛星アマルティア」と「第8衛星パシファエ」だけです。「第9衛星シノーペ」はギリギリアウト。アマルティアは木星に近すぎて何らかの工夫を考えないとまぶしさに埋もれてしまうでしょう。シリウスの伴星を撮影するよりはるかに光度差があります。いっぽうパシファエは木星から十分離れていますが、光度はエララと同程度。あれこれ調整しつつチャレンジを続けたいと思います。


参考:
木星の衛星を幾つ写せるかな?「パシファエ編」(2018/04/23)
木星の衛星を幾つ写せるかな?「ヒマリア編」(2018/04/19)

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