非常に強くなっていた台風3号2018/04/01


20180331-1500台風3号
日本に迫っていないためか話題にもならない台風3号ですが、実は3月30日21時から31日18時の間、中心付近の最大風速が85ノットを越す「非常に強い」台風となっていました。

左画像は31日15時の気象衛星画像(画像元:RAMMB/画像処理・地図等は筆者)。ナチュラルカラー処理のため、水色の雲は活発に上昇した氷粒状態、白やグレイの雲は低層の水粒状態を表します。赤点円は台風中心の直径1000km円。この画像の段階ではまだ「非常に強い」レベルでしたが、同日21時に最大風速は75ノットに下がっており、「強い」台風の段階となっています。東進しているため本州には全く影響ないですが、小笠原諸島で少し雨が降ったようです。

【3月までに発生した非常に強い台風】
台風番号発生月最大風速
(ノット)
最低気圧
hPa
1979年01号1月95930
1981年01号3月90945
1982年02号3月100935
1987年01号1月90955
1988年01号1月85940
2002年02号2月95930
2015年02号2月90940
2015年04号3月105910

  • 気象庁ベストトラックを使って自作プログラムにより調べました。
  • 調査対象は1977年から2017年までの全ての台風です。
  • 2015年04号は「猛烈な」台風まで発達しました。
過去には3月までに「非常に強い」レベルまで発達した台風はあったのでしょうか?気象庁のベストトラックに風速が記録されている1977年以降、昨年2017年までの全台風を調べたところ、右表の8個が見つかりました。中でも2015年は2つ発生しており、4号は「猛烈な」台風まで発達していました。統計母数が少ないので、これだけで北半球の冬は年々暑くなってるなんて言えませんが、少なくとも発生年の冬の太平洋が台風を発達させるだけの十分な熱を帯びていたことは事実です。

これから50年、100年と経つうちに地球が暖かくなるようなことがあったら、冬や春先に強い台風が上陸…なんていう事態になるかも知れません。そうなったらのんびりお花見どころじゃないですね。積もった雪が台風で大雪崩を起こすとか、融雪と雨とで川が大氾濫とか…考えたくないなあ。でも、お子さん、お孫さんが過ごす時代のことですからね。エイプリルフールじゃなく、すぐそこにある未来なのです。

コメント

トラックバック