少し暗い彗星に手を出す ― 2018/03/26
昨夜から今朝にかけてよく晴れたので、超新星ひとつと彗星をふたつ観察しました。撮影順に2018zd、パンスターズ彗星(C/2015 O1)、アトラス彗星(C/2017 M4)です。パンスターズ彗星は昨夜撮影したものとは違います。
パンスターズ彗星は淡いコマが広がっているのが分かります。短い尾が見えなくもない…かな?アトラス彗星(C/2017 M4)は現在はくちょう座の翼近くにいます。来年前半にかけて14等台になるようですが、現時点では16等台前半。写るかどうか、試しにカメラを向けてみました。この後もうひとつ別のパンスターズ彗星(C/2016 M1)も撮りたかったけれど、薄明が来てしまいました。春分を過ぎて、どんどん夜が短くなっています。
パンスターズ彗星は淡いコマが広がっているのが分かります。短い尾が見えなくもない…かな?アトラス彗星(C/2017 M4)は現在はくちょう座の翼近くにいます。来年前半にかけて14等台になるようですが、現時点では16等台前半。写るかどうか、試しにカメラを向けてみました。この後もうひとつ別のパンスターズ彗星(C/2016 M1)も撮りたかったけれど、薄明が来てしまいました。春分を過ぎて、どんどん夜が短くなっています。
今日の太陽とハロ ― 2018/03/26
天宮1号・大気圏再突入関連のメモ ― 2018/03/26
(更新終了:2018/04/02 11:25)
本記事は間もなく落下する天宮1号の状況をメモするために構成しました。ESA(European Space Agency/欧州宇宙機関)の落下予報グラフや自作プログラムによる経路図などを掲載します。落下まで毎日更新する予定です。(注:リアルタイム更新ではありません。)なお落下と言っても地上に落ちる前に全て燃え尽きてしまう可能性もあります。また今週の軌道は刻々と変化するので、あくまで参考程度に留めてください。
A・B図は、なるべく最新の軌道要素を使い、直近2日分の衛星直下点を描画した世界地図およびアジア圏地図です。衛星高度が把握できるよう色分けしてあります。またC・D図はESAサイトからの引用で「予報計算日と落下予想期間の関係」および「衛星高度予測」を示したグラフ。日を追う毎に予報値が狭まる様子が分かります。
天宮1号は一般的な無人衛星に比べてかなり大きい部類です。太陽電池パネルを除く本体は、国際宇宙ステーションにある日本モジュールの「きぼう」船内実験室(→実物画像参照)より少し小さい程度。ですから、大気圏再突入でどのように振る舞うのか予想が付きません。上空を通るチャンスがあるならぜひ観察してください。
参考:
2018年春に落下予想の「天宮1号」に関する記事(ブログ内)
AEROSPACE社の発表によると、世界時0:16(日本時9:16)、太平洋上で大気圏再突入したとのことです。場所は確認できていませんが、下の地図で言うとニュージーランドの遙か東沖、ポリネシアの南東付近、チリへはまだ到達していないあたりと思われます。何もないところで、ひとまず良かったですね。海は汚れちゃいますが…。(一応書いておくと、再突入=燃え尽きたという事ではありません。最後にどうなったかという情報はまだ確認できません。)
追記
本家である中国有人宇宙プログラム室(CMSEO)からも同様の発表がありました。(→外部リンク)
※落下地点などは2018年4月3日記事に記しています。
追記
本家である中国有人宇宙プログラム室(CMSEO)からも同様の発表がありました。(→外部リンク)
※落下地点などは2018年4月3日記事に記しています。
A・B図は、なるべく最新の軌道要素を使い、直近2日分の衛星直下点を描画した世界地図およびアジア圏地図です。衛星高度が把握できるよう色分けしてあります。またC・D図はESAサイトからの引用で「予報計算日と落下予想期間の関係」および「衛星高度予測」を示したグラフ。日を追う毎に予報値が狭まる様子が分かります。
天宮1号は一般的な無人衛星に比べてかなり大きい部類です。太陽電池パネルを除く本体は、国際宇宙ステーションにある日本モジュールの「きぼう」船内実験室(→実物画像参照)より少し小さい程度。ですから、大気圏再突入でどのように振る舞うのか予想が付きません。上空を通るチャンスがあるならぜひ観察してください。
※地図内の時刻は全てJSTです。また描いてある海抜高度とは、軌道上の衛星と直下点海抜位置(地表を回転楕円体と仮定)から計算した高度です。大気圏突入以降は描いてある高度から急激に逸脱します。
【特記】※上ほど新しいメモです
- 4月2日メモ3
2日7:10現在、最低高度が130kmを下回り始めました。 - 4月2日メモ2
地図は5:30の更新を持って最終とします。 - 4月2日メモ1
計算上の近地点高度が150kmまで下がりました。 - 4月1日メモ
落下見込みの2日の地図を午前と午後に分けました。 - 3月30日メモ3
地図にアジア圏拡大図を追加しました。 - 3月30日メモ2
計算上の遠地点高度が200kmを下回りました。 - 3月30日メモ1
30日4時半に関東の南を通過したパスを観察しました(→ブログ記事) - 3月29日メモ
29日5時前に関東の南を通過したパスを観察しました(→ブログ記事) - 3月28日メモ2
大気圏突入後に機体が発光している状態で上空を通る場合は、昼間や夜中でも見える可能性があります。お時間が取れる方はHeavens Aboveサイトの「含まれる経過」というラジオボタンを「全て」のほうにチェックし、条件の良いパスは全部観察対象にしてみましょう。 - 3月28日メモ1
3月29日5時頃と30日4時半頃の本州南を通るパスが日本の広範囲で見える可能性が高くなりました。まだ再突入前と思われますが、ほぼラストチャンス。Heavens Aboveサイトなどから詳しい予報を入手して観察しましょう。(必ず最初にサイト右上でご自身の観測地点を設定してください。)軌道予報はどんどん変わるため、飛行の数時間前以内の最新情報を入手し、時間に余裕を持って観察してください。※現在、予報より早く通過する傾向です。 - 3月26日メモ
計算上の高度が200kmを下回り始めました。
【制御できないスペースデブリの落下について】
地上から位置をコントロールできないスペースデブリの落下予報はとても難しいものです。真っ直ぐズドンと落ちるなら話は早いでしょうが、元々地球を周回していた衛星やデブリの場合そうはなりません。
多くの衛星やデブリは楕円軌道なので、地球に一番近いところ(近地点)を通るたび大気の抵抗を受け、速度が落ち、その結果地球から一番遠いところ(遠地点)まで戻れなくなります。軌道はだんだん円に近くなって、直径も小さくなる→更に地表に近づき、大気の抵抗も大きくなる→やがて落下する(燃え尽きる)…というのが一般的なシナリオ。大気の抵抗や軌道の狭まり方、それに要する時間などは、それまでの軌道や衛星の形状、大気変動、月や太陽の影響などで変化しますから、『天気予報』並みに複雑でしょう。
人工衛星の予報サイトなどで発表される近地点や遠地点の高度は、軌道形状を示す「軌道要素」と呼ばれる数値から簡単な公式で計算したものです。でも実際の軌道は刻々と変化し、また衛星がどこの上空で近地点/遠地点となるかで地球半径も変わります。「近地点で落ちる」とは限りませんが、「いまどこにいて、どれくらいの高さか」を気にかけておいて損はないでしょう。
地上から位置をコントロールできないスペースデブリの落下予報はとても難しいものです。真っ直ぐズドンと落ちるなら話は早いでしょうが、元々地球を周回していた衛星やデブリの場合そうはなりません。
多くの衛星やデブリは楕円軌道なので、地球に一番近いところ(近地点)を通るたび大気の抵抗を受け、速度が落ち、その結果地球から一番遠いところ(遠地点)まで戻れなくなります。軌道はだんだん円に近くなって、直径も小さくなる→更に地表に近づき、大気の抵抗も大きくなる→やがて落下する(燃え尽きる)…というのが一般的なシナリオ。大気の抵抗や軌道の狭まり方、それに要する時間などは、それまでの軌道や衛星の形状、大気変動、月や太陽の影響などで変化しますから、『天気予報』並みに複雑でしょう。
人工衛星の予報サイトなどで発表される近地点や遠地点の高度は、軌道形状を示す「軌道要素」と呼ばれる数値から簡単な公式で計算したものです。でも実際の軌道は刻々と変化し、また衛星がどこの上空で近地点/遠地点となるかで地球半径も変わります。「近地点で落ちる」とは限りませんが、「いまどこにいて、どれくらいの高さか」を気にかけておいて損はないでしょう。
参考:
2018年春に落下予想の「天宮1号」に関する記事(ブログ内)