明け方に月と土星が接近、おっと、火星も!2018/02/12

20180212月と土星
昨夜から今朝にかけて天気の回復が遅く、結局明け方近くまでほぼ雲だらけの空でした。名残惜しく薄明が始まる頃にもう一度だけ起きて外を見ると、なんと晴れているではありませんか。低空に残っている雲があるものの、月齢25.7の月と土星が接近している空間はタイミング良く見えています。急いで近くのカメラバッグと三脚を抱え、低空まで見えるところを探しました。

いつも行っている開けた場所は徒歩で20分以上かかるのでNG。そこで、近所にある潰れた元スーパーの空き地へ。そこなら5分で行けます。薄明でどんどん明るくなり、また低空の雲も月を度々隠すので、タイミングとの勝負でした。冷えた明け方は特に体が動かなくなる病状のため、苦労の連続。でもなんとかカメラに収めることができました(左上画像)。周囲にあるM天体も入れたかったので、土星を中ほどにフレーミングしました。画像の右下に星がありませんが、ここは雲がかかってしまったところです。多段階露光で月明かりや雲、薄明カブリをかなり除去していますが、実際はもう朝の明るさを感じる空でした。

20180212火星とアンタレス
「月と土星の接近を観察できた!ラッキー!」とひと安心、喜びながら機材を片付け始めてハッと気付きます。そう言えば火星とアンタレスも今朝が最接近日だった!…慌ててまた組み直し、カメラを火星に向けました(右画像)。両天体共に光度1.05等。ほぼ同じように写りましたね。今回の勝負、両者引き分けです。

今後火星は7月末の大接近に向け光度を増し、4月中旬に0.0等、5月下旬に-1.0等、6月下旬に-2.0等、大接近前後は-2.77等になります。2003年以来の大接近となり、2016年5月の接近時より0.77等も明るいですよ。期待に胸が膨らみますね。次に今年並みに近くなるのは17年後の2035年です。見逃すと次はないかも、という方は特にしっかり準備して待ちましょう。

参考:
アーカイブ:天体の接近現象一覧
アーカイブ:多天体の接近現象
アーカイブ:火星の地球接近
明け方の惑星会合は続いてます(2018/01/26)
火星とアンタレスが大接近(2016/08/24)

今日の太陽2018/02/12

20180212太陽
明け方からよく晴れました。日が高くなると風が強まるいつものパターンです。午後には雲が出てしまいました。

10時頃太陽観察しようとX線フラックスなどのデータを見ると、なんとちょうど上昇中。Cクラスに届きそうでしたので、観察タイミングをフレアピークに合わせました。
20180212太陽リム
左は10:24頃の撮影です。フレアは活動領域12699のもので、いつもより明るく見えますね。発生時刻は9:00頃、ピークはC1.5クラスとのことでした。地球に面していますので、何か飛んでくるかも知れません。プロミネンスは小さなものが少し出ていました。