そろそろ見納めかも知れない天宮1号を観察2018/02/08

20180208天宮1号
今朝方、天宮1号が天頂寄りの高い空を通過するパスがありました。予報最大光度は0.5等。この春に落下することを当ブログで取り上げた以降では、一番明るい予報です。明日明け方も更に明るい0.2等というパスがあり、この二日間を見逃したらもう見ることはできないかも知れないと考えていました。(追記:2月9日の観察記事はこちら。

晴れたら絶対見ると決めてひと月ほど待ったでしょうか。ここ数ヶ月の経験から、予報より2等ほど暗めなのが分かっています。下弦の月明かりもあったので心配でした。でも良い天気に恵まれ、バッチリ観察することができました(左画像/淡い線が天宮1号の軌跡)。肉眼ではっきり分かりましたが、やはり予報よりずっと暗く、最大高度=最大光度時でもかんむり座α星(左画像のαCrB、2.2等)と同程度でした。また今まで見た中では通過速度が一番速いと感じました。測定したわけではないので分かりませんが、飛行高度が11月中旬と比べて30kmあまり下がっていますから、見かけの速度は上がっているはずです。(※11月15日近地点高度/遠地点高度はそれぞれ287km/311km、本日は254km/279km。)かつて毛利宇宙飛行士搭乗のスペースシャトルが地表測定(Shuttle Radar Topography Mission)のため通常より低く飛んだとき、かなり速く感じたのを思い出しました。

天宮1号は明日明け方も見えそうです。関東近辺の方、ぜひ5:20過ぎに北東の空を見上げてください。詳しい予報はHeavens Aboveサイトを利用しましょう。(必ず最初に右上で観測地点を設定してください。)

このほか、今朝は月と木星の接近、そして火星とアンタレスの接近も見ることができました(下画像)。月明かりが強かったので多段階露出で高コントラスト処理したところ、アンタレス北東側の暗黒帯があぶり出されたのにはビックリしました。光害地でも分かるものなんですね。月・惑星たちも向こう三日間ほど楽しむことができます。明日は月が木星と火星の間まで下がるので、土星も含めて更にコンパクトな配列でしょう。2月12日前後の火星とアンタレス最接近もお見逃しなく。

  • 20180208明け方の月と惑星

    明け方の月と惑星
  • 20180208月と木星

    月と木星
  • 20180208火星とアンタレス

    火星とアンタレス

参考:
2018年春に落下予想の「天宮1号」に関する記事(ブログ内)

今日の太陽2018/02/08

20180208太陽
朝からよく晴れています。時折風が強くなりますが、ここ数日に比べたら穏やかなほう。明け方の気温がマイナス6度近くまで下がったので、日中なかなか回復しません。街を歩くと1月22日の雪がまだ溶けずに残っているところもあります。

20180208太陽リム
左は10:50前の太陽。活動領域12699がとても活発で、日本時間昨夜半前になんとC1.7クラスとC8.1クラスのフレアが観測されました。左画像でも黒点が発達しているのがよく分かります。プロミネンスは左下リムに少し見えますね。