大雪になりました ― 2018/01/22
予報通り、今日は午前中から久しぶりにしっかりした雪になりました。昼過ぎにすぐ雨に変わったので「もう終わり!?」と拍子抜けしていたら、15時頃から今度は大粒の雪がドッカドカ。1キロ先が霞んで見えません。
当地・茨城県は14:27に大雪警報が発令されました。警報は長野県から東の広い範囲におよび、17:00現在は右下図の赤いエリアに出ています(気象庁サイトより引用/加工済み)。今後さらに北上するでしょう。大雪は明日朝まで続く見込みなので、相当積もりそう。帰宅時間に重なり、明日はカチコチ、ツルツルの出勤なので、大混乱ですね…。
地上天気図を見ると、低気圧が発達しながら本州の南海上を通る、いわゆる「南岸低気圧」のパターンとなっていました。台風や熱帯低気圧以外でも、普通の低気圧が急速に発達する場合は天気図に台風のような「進路予報円」が描かれます。でも本州より南(概ね北緯35度以南)、かつ東経140度以西に中心がある低気圧に予報円が描かれることは滅多にありません。
試しに予報円付きの南岸低気圧が何回あったか、前年冬期と今年冬期の11月から翌年1月まで全ての天気図を調べたところ、次の様な結果でした。
今冬期はやや早くから「本州南で急速発達タイプ」だったという事でしょうか。もちろん、今日の南岸低気圧は予報円付きでした。
また、黒潮大蛇行の影響も盛んに言われています。南岸低気圧が他より冷たい海上を通るわけですね。NOAAが公開している海面温度分布図(SST図)を天気図に組み込んだら分かりやすいのかなと前々から思っていたので、この機会にやってみました。
今日時点で最新SSTである1月20日の地図と、本日15:00JSTの気象庁発表地上天気図を組み合わせたのが左図。近畿から静岡の南沖に広がる舌状の濃緑色が大蛇行部分で、黄色や黄緑より温度が低くなっています。ここをドンピシャで低気圧が通っていくのですね。
このほか、シベリアには1060hPa以上のスーパー高気圧が居座っていることも気にする必要があるでしょう。とは言え、気象は「○○のせいだ」と単純に決められない、たくさんの要因の結果です。温暖化だって時間経過のひとつの側面に過ぎません。何かに(誰かに)責任や原因を押しつけ合っていても始まらないでしょう。私たちは地球以外に行き場がないのですから。じっくり自然を観察し、できる対策を片っ端から試してみましょう。
【翌日追記】
気象庁アメダスによるデータが公開されたので、関東甲信の積雪と降雪の状況を下表にまとめました。「積雪」と「24時間降雪」をお間違えなく。(積雪は、山沿いなど前日までに積もっていた場合それも含む深度です。)なお、気象庁から1月23日1:19に発表された「大雪に関する茨城県気象情報 第7号」によれば、23日0:00現在、県内の積雪の深さは、下表の水戸19cm、つくば15cmの他、大子17cm、下妻29cm、鉾田22cm、土浦5cmとのこと。意外なところで降りましたね。
メモ
参考:
11月に初雪…しかもドカ雪(2016/11/24)
当地・茨城県は14:27に大雪警報が発令されました。警報は長野県から東の広い範囲におよび、17:00現在は右下図の赤いエリアに出ています(気象庁サイトより引用/加工済み)。今後さらに北上するでしょう。大雪は明日朝まで続く見込みなので、相当積もりそう。帰宅時間に重なり、明日はカチコチ、ツルツルの出勤なので、大混乱ですね…。
地上天気図を見ると、低気圧が発達しながら本州の南海上を通る、いわゆる「南岸低気圧」のパターンとなっていました。台風や熱帯低気圧以外でも、普通の低気圧が急速に発達する場合は天気図に台風のような「進路予報円」が描かれます。でも本州より南(概ね北緯35度以南)、かつ東経140度以西に中心がある低気圧に予報円が描かれることは滅多にありません。
試しに予報円付きの南岸低気圧が何回あったか、前年冬期と今年冬期の11月から翌年1月まで全ての天気図を調べたところ、次の様な結果でした。
- 2016年冬期…2016年12月13日、2017年1月8日、1月20日、1月30日
- 2017年冬期…2017年11月17日、11月22日、12月8日、2018年1月17日
今冬期はやや早くから「本州南で急速発達タイプ」だったという事でしょうか。もちろん、今日の南岸低気圧は予報円付きでした。
また、黒潮大蛇行の影響も盛んに言われています。南岸低気圧が他より冷たい海上を通るわけですね。NOAAが公開している海面温度分布図(SST図)を天気図に組み込んだら分かりやすいのかなと前々から思っていたので、この機会にやってみました。
今日時点で最新SSTである1月20日の地図と、本日15:00JSTの気象庁発表地上天気図を組み合わせたのが左図。近畿から静岡の南沖に広がる舌状の濃緑色が大蛇行部分で、黄色や黄緑より温度が低くなっています。ここをドンピシャで低気圧が通っていくのですね。
このほか、シベリアには1060hPa以上のスーパー高気圧が居座っていることも気にする必要があるでしょう。とは言え、気象は「○○のせいだ」と単純に決められない、たくさんの要因の結果です。温暖化だって時間経過のひとつの側面に過ぎません。何かに(誰かに)責任や原因を押しつけ合っていても始まらないでしょう。私たちは地球以外に行き場がないのですから。じっくり自然を観察し、できる対策を片っ端から試してみましょう。
【翌日追記】
気象庁アメダスによるデータが公開されたので、関東甲信の積雪と降雪の状況を下表にまとめました。「積雪」と「24時間降雪」をお間違えなく。(積雪は、山沿いなど前日までに積もっていた場合それも含む深度です。)なお、気象庁から1月23日1:19に発表された「大雪に関する茨城県気象情報 第7号」によれば、23日0:00現在、県内の積雪の深さは、下表の水戸19cm、つくば15cmの他、大子17cm、下妻29cm、鉾田22cm、土浦5cmとのこと。意外なところで降りましたね。
【2018年1月23日0:00時点の積雪】
観測地 | 2018年1月23日 0:00時点の積雪 | 2018年1月23日 0:00時点の 24時間降雪 | 観測史上1位の積雪 (昨冬まで) | 1月1位の積雪 (昨日まで) | 統計開始年 |
---|---|---|---|---|---|
茨城県水戸 | 19cm | 19cm | 32cm(1945年2月26日) | 23cm(1909年1月10日) | 1897年 |
茨城県つくば(館野) | 15cm | 16cm | 27cm(1936年2月5日) | 19cm(1923年1月25日) | 1921年 |
栃木県那須高原 | 31cm | 31cm | 88cm(2014年2月15日) | 57cm(2002年1月9日) | 1989年 |
栃木県土呂部 | 46cm | 27cm | 129cm(2014年2月15日) | 107cm(2005年1月16日) | 1989年 |
栃木県奥日光(日光) | 30cm | 30cm | 125cm(1984年3月21日) | 83cm(2005年1月21日) | 1944年 |
栃木県宇都宮 | 26cm | 27cm | 32cm(2014年2月15日) | 29cm(1998年1月9日) | 1890年 |
群馬県藤原 | 110cm | 23cm | 301cm(2006年1月26日) | 301cm(2006年1月26日) | 1989年 |
群馬県みなかみ | 84cm | 23cm | 275cm(2006年1月28日) | 275cm(2006年1月28日) | 1989年 |
群馬県草津 | 66cm | 29cm | 162cm(2014年2月16日) | 123cm(2005年1月21日) | 1989年 |
群馬県前橋 | 27cm | 29cm | 73cm(2014年2月15日) | 33cm(1998年1月15日) | 1896年 |
埼玉県熊谷 | 19cm | 19cm | 62cm(2014年2月15日) | 43cm(1954年1月24日) | 1896年 |
埼玉県秩父 | 17cm | 17cm | 98cm(2014年2月15日) | 53cm(2001年1月27日) | 1926年 |
東京都東京 | 23cm | 23cm | 46cm(1883年2月8日) | 31cm(1887年1月18日) | 1875年 |
千葉県銚子 | − | − | 17cm(1936年3月2日) | 12cm(1945年1月24日) | 1887年 |
千葉県千葉 | 9cm | 10cm | 33cm(2014年2月9日) | 26cm(1984年1月19日) | 1966年 |
神奈川県横浜 | 17cm | 18cm | 45cm(1945年2月26日) | 39cm(1954年1月24日) | 1896年 |
長野県野沢温泉 | 105cm | 12cm | 353cm(1984年3月22日) | 343cm(2006年1月8日) | 1980年 |
長野県信濃町 | 54cm | 10cm | 176cm(2015年2月20日) | 164cm(2012年1月30日) | 1981年 |
長野県飯山 | 79cm | 11cm | 257cm(1984年2月9日) | 255cm(2006年1月8日) | 1983年 |
長野県小谷 | 80cm | 12cm | 251cm(1984年2月18日) | 250cm(2012年1月29日) | 1983年 |
長野県白馬 | 29cm | 15cm | 187cm(1980年12月28日) | 185cm(1981年1月4日) | 1980年 |
長野県長野 | 14cm | 14cm | 80cm(1946年12月11日) | 60cm(1963年1月8日) | 1892年 |
長野県大町 | 13cm | 14cm | 117cm(1984年2月28日) | 101cm(2002年1月29日) | 1981年 |
長野県菅平 | 53cm | 18cm | 152cm(2014年2月16日) | 122cm(2017年1月21日) | 1981年 |
長野県軽井沢 | 10cm | 10cm | 99cm(2014年2月15日) | 72cm(1998年1月15日) | 1925年 |
長野県松本 | 21cm | 22cm | 78cm(1946年3月3日) | 69cm(1998年1月15日) | 1898年 |
長野県諏訪 | 3cm | 3cm | 69cm(2001年1月27日) | 69cm(2001年1月27日) | 1945年 |
長野県開田高原 | 45cm | 23cm | 115cm(2014年2月15日) | 106cm(2001年1月27日) | 1991年 |
長野県飯田 | 3cm | 5cm | 81cm(2014年2月15日) | 56cm(2001年1月27日) | 1897年 |
山梨県甲府 | 5cm | 5cm | 114cm(2014年2月15日) | 49cm(1998年1月15日) | 1894年 |
山梨県河口湖 | 21cm | 22cm | 143cm(2014年2月15日) | 89cm(1998年1月15日) | 1933年 |
メモ
- 2018年1月23日6:00時点の気象庁アメダス集計値を元に作成。
参考:
11月に初雪…しかもドカ雪(2016/11/24)