パンスターズ彗星の複雑な尾を街中で写せるか?2017/12/20

20171220パンスターズ彗星(C/2016 R2)
昨夜から今朝にかけて夜半過ぎまではよく晴れましたが、その後徐々に雲が増え、夜明け前は結構な曇り空でした。連日の疲れもあったので、彗星をひとつだけ撮影しました。

左は日付が今日に変わった頃撮影したパンスターズ彗星(C/2016 R2)。この彗星は珍しく青色の成分で見えている彗星ですが、たなびく尾が日々素晴らしい姿を見せているようなのです。いつも驚くような彗星画像を撮影されているMichael JägerさんがSpaceweatherのギャラリーに投稿しています。

さすがに街中での撮影は背景に多量の光害があって、淡い彗星の尾を取り出すのは難しいと思われます。よほどの透明度がないと叶わないでしょう。しかしながらトライしないで諦めるのは性分ではないので、何とか自分でも撮影できないか奮闘していました。

20171220パンスターズ彗星(C/2016 R2)
左上画像は前出のMichael Jägerさんと似た機器構成で、色分解用の青フィルターを使っています。カメラは一緒(天体用白黒カメラ)です。撮影環境が全く違うので、このままでは淡い部分が分かりません。そこで白黒反転してみたのが右画像です。左上に向かってくねくね伸びる尾が少し分かるようになりました。でも背景ノイズなのか、尾なのか分かり辛いですね。かなり丁寧にダーク・フラット補正をしていますが、まだまだ光害による貧弱コントラストに負けてしまってます。

青っぽい色の尾に青フィルターを使うのは良いのですが、光害地では青や緑成分まで人工光の波長が及んでいます。今回は光害カットフィルターを使っていませんが、組み合わせるのもひとつの手でしょうね。かと言ってナローバンドまで狭めると露光時間がかさみ、彗星がぶれてしまいます。そもそも珍しい色のパンスターズ彗星がどの波長で写りやすいのか、まだ知りません。

20171220パンスターズ彗星(C/2016 R2)
さて、Jägerさんと同じようにアニメーションも作ってみました。ただし反転画像です。ブログの容量制限や閲覧の便宜を考え、かなり色深度やピクセル数を落としたGIF画像になってしまうのが残念なところ。でもこうすることでノイズなのか淡い尾なのかが判断しやすくなりますね。

因みに6分ごとに合成した10枚(60分間)を使ってアニメーションにしており、約4秒ループにしています。2時間撮りたかったのですが曇られました。まだパンスターズ彗星の最盛期まで時間があるので、何度か挑戦したいと思います。月明かりとお天気次第ですけれど。

参考:
パンスターズ彗星(C/2016 R2)に関係する記事(ブログ内)

今日の太陽2017/12/20

20171220太陽
明け方空を覆っていた雲も日が登ると少なくなりました。昼時点で雲量2割と言ったところ。

20171220太陽リム
左は11:30前の太陽。左上にやや明るいところが見えますね。新たなプラージュ?左上リムから新しい線状のプロミネンスが見えてきました。右上も活発ですね。この画像では目立ちませんが、中央左下に太めの長いダークフィラメントがあります。