雨上がりの美しい満月夜2017/11/05

20171105_18599月
今夜は満月。と言っても、満月になった瞬間はまだ日本に月が登る前、11月4日14時過ぎのこと。だから4日夜から5日明け方を照らしたのは「満月ちょい過ぎ」でした。でもまぁ、それくらいは大目に見ましょ。

左は5日になってすぐの0:45過ぎの撮影。太陽黄経差は185.99°、撮影高度は63°あまり、月齢は15.86です。すでに向かって右側が欠け始まっていますね。わずかに雲があったものの、寒冷前線が通り過ぎて晩秋独特の透明感あふれる月夜でした。風は無く、気温がグーンと下がって、秋虫の声もわずかに響くのみ。こんな静かな夜は久しぶりです。

計算すると、この月の中央緯度は+7°を越しており、つまりお辞儀をして北極側が限界近くまで見えている状態でした。右下画像は左画像の北極付近をトリミングしたもの。調べてみると「ピアリー」クレーターの存在を確認できました。地球の北極点に初めて到達したとされる探検家ロバート・ピアリーさんを記念して付けられたクレーター名です。
20171105月の北極
ピアリー・クレーターの左横で大きく目立つのは、数学者シャルル・エルミートさんの名を冠した「エルミート」クレーター。どちらも太陽光が当たりづらい位置なので内部は暗いですが、そもそも普段は存在確認すら困難です。南極側のクレーターと共に、月面中央緯度の変化に注意を払って観察するような『そそられる』対象なのでした。

秋から冬の星座と共に空を飾る静かな満月。何にも代え難い美しい夜です。

参考:
月の南極に名が刻まれたふたりの冒険者(2015/08/31)
アーカイブ:月の形(黄経差180度以上、216度未満)

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