2017年の秋、気候はどう変化したのかな?2017/11/04

20171104夕空の急変
世間が連休中日となる本日11月4日。昨日から雨が続くところが結構ありました。当地・茨城も昼過ぎまでそれなりに晴れていたのに、15時前から急に暗くなったと思ったら突然の雨(左画像)。日没を迎える時間もまだしっかり降っています。思えばあまり晴れた記憶のない秋だったなぁ、としみじみ。…この感覚をデータで裏付けてみたくなりました。

以前2017年9月2日の記事で、気象庁サイトの「最新の気象データ」で日々発表されている小さな気候分布地図を使った「ふたつの地図の比較」をご紹介しました。ひとつの地図で、例えば「10月の降水量平年比の分布」が分かりますが、「9月の分布と10月の分布で、どこがどう変わったか」までは分かりません。この点を少しでも分かりやすくするために考えた手法でした。言うなれば「変化の変化」を描いた地図です。これを使って、今年8月と9月、および9月と10月の比較をしたのが、下の6種類の地図。それぞれ、気温、降水量、日照について「月初めから30日間集計による平年値比較」の地図を使っています。(※末尾の31日は含まれません。)

パッと見てとりわけ印象に残るのはE図の「9月と10月の降水量平年比比較」でしょう。本州以南が紅葉でもしたかのような色彩になっていますね。凡例を見るとこの色は「9月の降水量に関わらず10月の降水量が非常に多い」ことを示しています。対応するようにF図は「9月の日照に関わらず10月の日照が非常に少ない」ようです。8月に日照が少なかった関東や東北が9月になってようやく平年を上回った(→C図)のに、また急下降してしまったのです。

南西諸島はどちらの気温地図とも黄色マークですから、少なくとも10月までずっと平年より高い気温だったようです。事実、真夏日が10月下旬まで続いていましたね。対照的に北海道や東北地方北部は青っぽい色が目立ち、平年より寒い状態が維持されているようです。他にもたくさんの情報を読み取れます。頭の体操にもなりますから、ぜひご活用ください。

  • 2017年8月と9月・30日間気温平年比比較

    A.2017年8月と9月
    気温平年比比較
  • 2017年8月と9月・30日間降水量平年比比較

    B.2017年8月と9月
    降水量平年比比較
  • 2017年8月と9月・30日間日照平年比比較

    C.2017年8月と9月
    日照平年比比較


  • 2017年9月と10月・30日間気温平年比比較

    D.2017年9月と10月
    気温平年比比較
  • 2017年9月と10月・30日間降水量平年比比較

    E.2017年9月と10月
    降水量平年比比較
  • 2017年9月と10月・30日間日照平年比比較

    F.2017年9月と10月
    日照平年比比較

【付記】
  • 凡例中心のグレイに近い色ほど「各月の観測平均値が平年値に近い状態で推移した」ことを表します。
  • 彩度が高い色(凡例の四辺に近い色)ほど、平年値から離れた特徴で推移したことを表します。たとえば「赤」マークなら「前月が平年値より極端に少なく、当月が平年値より極端に多い」と読み取れます。
  • 片方しか観測値が無い場合は正しい色で表示されません。
  • 元データから地図をプロットしたのではなく、プロットされた地図を画像処理的手法で合成しています。


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